20/10/10 22:37:19.90 dnj/idot0.net
>>38
鴻上尚史先生のお言葉
↓
好きなことをしている人とそうでない人との大きな溝
と言うことを書いても、「コジキ」と攻撃してる人には届かないだろうなと、僕は溜め息をつきます。
それは、「好きなことをしてるんだから、文句を言うな」という言葉を受けるたびに、「みんな、そんなに好きなことをしてないんだろうか」と思うからです。
「好きなこと」をしている人は、「文句を言うな」という言い方はしないんじゃないかと思います。補償について、もらい過ぎだとか、少ないという不満は言っても、「好きなことをしているんだから」という理由を選ぶことはないと思うのです。
でも、好きなことをしてない人は、自分は好きなことをしてないから、好きなことをしているというだけで、補償を求める人を憎むのかなあと思うのです。
街のレストランとか職人さんとか、自営業の人は、比較的、「好きなこと」を仕事にしているじゃないかと思います。サラリーマンはどうなんでしょうか。どれぐらいの人が自分の仕事が好きで、嫌いなのか、僕には分かりません。
まして、非正規雇用の人で、自分の仕事が好きな人がどれぐらい、いるのだろうと思います。
今の自分が仕事が嫌いで、それを続けている自分が嫌いで、自分が許せないという人にとって、「好きなことを仕事にしている」と見える人が「補償を求める」のは、許しがたいことに感じるのかなと思います。
そうすると、「文化への補償」という問題は、「芸術」「芸能」への理解なんて問題ではなくて、じつは格差と貧困、雇用形態の問題なんだと思うのです。
そこを解決しなければ、いくら「文化は大切なんです」「ヨーロッパでは補償されてます」と言っても意味はないんじゃないか、「コジキか」とメンションしてくる人との深い溝を、いったいどうやって埋めたらいいのかと考え込むのです。