20/09/02 11:32:07.31 aEDwe/xk0.net
手法はすぐに真似され、1963年秋からTCJ(現・エイケン)の『鉄人28号』
『エイトマン』、東映動画の『狼少年ケン』が放映された。
「アニメが儲からない」のは、虫プロではなく、この2社のせいである。
TCJはテレビコマーシャルの制作会社で、当時のテレビCFにはアニメを使うも
のが多かったので、アニメ部門があった。
『鉄腕アトム』の成功を見て、電通がTCJに発注したのが『鉄人28号』で、
TBSが発注したのが『エイトマン』だった。
TCJは虫プロと異なり、電通やTBSの下請けとして、安い価格で受注したのだ。
このとき、利益の出る価格で受注していればいいのに、コマーシャルで儲けていた
ので、赤字覚悟で受注した。
『鉄人28号』はTCJもアニメの著作権が持てたので、マーチャンダイジング収入
があったが、『エイトマン』のアニメの権利はTBSと原作者の平井和正と桑田次
郎にしかないので、キャラクター商品が売れてもTCJの収入にならない。
『狼少年ケン』はNET(現・テレビ朝日)が放映した。NETは当時は東映の子会社
で、東映社長の大川博がNETの社長だ。東映動画も、もちろん東映の子会社で
ある。
東映はNETに対し、「東映動画に適切な製作費を払うこと」と指示できる立場に
あったが、そうしなかった。
それでも東映動画は『狼少年ケン』の著作権は保持していたので、キャラクター
のマーチャンダイジング収入は得た。
テレビ局と広告代理店は、アニメの利益がキャラクター商品にあると分かると、
その権利を得て、一度得ると手放さない。
その結果、制作会社は低予算を押し付けられたあげく、著作権も持てず、経営は
厳しくなり、社員の給料が安くなる構造が生まれる。
東映動画はTVアニメに乗り出すと人員を増やしたが、今度は人件費が
経営を圧迫して人員整理をし、労働争議になり、ますます正社員は採用しな
くなり、下請け、孫請、フリーランスを使うようになっていく。