20/08/09 16:28:56 CAP_USER9.net
『大都会』ロケ中の1コマ(写真/共同通信社)
株式会社石原プロモーションは2021年1月16日をもって58年の歴史に幕を閉じると発表した。石原軍団を世間に知らしめたのがドラマ『大都会』(日本テレビ系、1976~1979年)だ。男臭い昭和のハードボイルドと、映画顔負けのアクション&バイオレンスをテレビで実現した作品だった。
『大都会』の大ファンであるライター・漫画家の杉作J太郎氏が言う。
「石原プロの自社制作で、日活のカメラマンが参加するなど映画さながらのスタッフで作られていた。そのためクオリティは当時のテレビドラマでは考えられない高さでした。私は社会や人間の暗部を描き出したパート1が特に大好きでしたが、派手なアクションに注力していったそれ以降の作品も素晴らしい。
印象深いのはパート2の第3話ですかね。東京タワーの高層部の外階段でアクションをやっていた。俳優たちもカメラマンも命綱なしで迫力ある映像を撮ったそうです。ストーリーもコンプライアンスにうるさい現代では考えられないものばかり。渡さん扮する黒岩刑事は、だいたい有無を言わさず犯人を射殺しちゃいますからね(笑い)」
角刈りにサングラス姿でショットガンを構える渡の姿は、当時の少年たちの憧れとなった。
黒岩刑事が率いる捜査課チームは「黒岩軍団」と呼ばれ、そのフォーマットは後の『西部警察』(テレビ朝日系、1979~1984年)の「大門軍団」へと受け継がれていく。
「石原軍団」という呼称は、この「黒岩軍団」「大門軍団」の影響を多分に受けている。
「あんたのこと、弟みたいに好きだった」
銃撃戦、大爆破、カーチェイス……。ど派手アクション路線は『西部警察』(テレビ朝日系)で頂点を極めた。コラムニストの堀井憲一郎氏が言う。
「装甲車が車を踏み潰したり、ヘリコプターが空中で爆破されるシーンには度肝を抜かれました。今思えばすべて大変な無駄遣いですが、その映画的な演出は“男の信じる格好良さ”を突き詰めたからこそだと思います」
特にファンの語り草となっているのがパート3の最終回だ。テロ組織の秘密基地セット建設に3000万円、爆破費用5000万円とされる大爆発シーンも世間をアッと言わせたが、それ以上に話題となったのが渡の演じる大門刑事の殉職シーン。
裕次郎の演じるボス・木暮課長が、霊安室で絶命した大門に語りかける。
「大さん、疲れたろ? だから眠ってるんだろ? 一言でいい。なんとか言ってくれ、言ってくれ!」
「大さん、俺はなァ、お前さんのこと……あんたのこと、弟みたいに好きだった……ありがとう!」
このセリフはすべて裕次郎のアドリブだったとされる。映画の世界から半ば強引にテレビのドンパチ刑事ドラマに引き入れ、それに付き合ってくれたことに対する贖罪の意味があった─と後に明らかになっている。
8/9(日) 16:05配信
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