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2020年06月04日 13時01分
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脳科学者の茂木健一郎氏(57)が4日、1989年6月4日に起きた天安門事件と現在の中国について考察した。
天安門事件について「あのような惨劇は決して忘れてはいけないし、なかったことにするというのは、とんでもないことである」
という茂木氏は「あの時、中国が、もし、民主化の方に行っていたら、どうなっていたろう。普遍的な価値が大切にされる、
もうひとつの国になっていたろうか。天安門を力で弾圧する側が勝ってしまったために、中国は、世界の中でも、
化石のように全体主義的な価値観が支配する、特殊な国、エリアになってしまった」と指摘。
また「天安門事件の弾圧の後、中国の急速な経済発展があったから、実際的な視点から、中国の体制が異質なもの、
普遍的な価値からは遠いものであることをひとびとは忘れていた、というか忘れたことにしていたと思うけれども、
『部屋の中の象』のように、天安門事件とその記憶は残り続けている」として「今の中国の指導部は、天安門事件の弾圧の上に成り立っている。
中国の経済や社会の発展はすばらしいことだけれども、『部屋の中の象』である天安門事件の記憶、及びその抑圧は、
権力中枢にとっては限りない後ろめたさだろう。だからこそ、ムキになる。人間は後ろめたいことは徹底して否定するものだ」と分析した。
今後については「これからも、中国が発展し、また、日本もともに平和的に繁栄していきたいと思うけれども、台湾や香港のことを考えても、
中国が、天安門事件という『部屋の中の象』を抑圧しようとすればするほど、対外的には持続不可能な自己正当化、強権に出るように思う。
その意味で、天安門事件は今も生きている」との見方を示している。