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2020.3.29 08:00週刊朝日
半世紀ほど前に出会った97歳と83歳。人生の妙味を知る老親友の瀬戸内寂聴さんと横尾忠則さんが、往復書簡でとっておきのナイショ話を披露しあう。
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■横尾忠則「のんきな時代の“とんでもコックピット”」
セトウチさん
インドの海で水着で泳いだセトウチさんのことをエッセーで書いたら小島功さんがマンガにしたそーですね。僕は見ていないけれど。
今日は別のインドの話を書きます。セトウチさんがサリーを買いにお店に入ったまま全然出てこないので、店の前に腰掛けていたら子供が「来い」というのでついていくと、畑の中に植わっている水瓜を買え、と言う。人の畑の水瓜を売りつけようとするんだけれど、頭のいい子だと感心しました。
セトウチさんはまだ店から出てこない。店に入ると「3ルピーをまけてくれないのよ」とセトウチさんは、僕が水瓜畑に行っている間も一生懸命値切っているのです。
「セトウチさん、3ルピーは日本円で100円(当時)ぐらいですよ」と言うと、「ホント、1万円ぐらいだと思った」そうです。インドと日本は全て価値観が違うのでびっくりすることばかりです。
帰路、飛行機が給油のためバンコックだったかに止った時、ツアーのグループの2人が旅行中にできてしまってバンコックで降りてしまったために、われわれはエライことになりましたよね。できてしまった男性はセトウチさんの親戚の子だったですよね。機内に銃を持った兵隊がドヤドヤ入ってきて、「代表者は誰だ!」と言われて添乗�