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昨年10月のシカゴ・マラソン男子で2時間5分50秒の日本記録をマークした大迫傑(28)=ナイキ=が3日、ツイッターを更新。青学大が新記録の10時間45分23秒で2年ぶり5度目の総合優勝を果たした「第96回東京箱根間往復大学駅伝」をめぐり、「箱根の利益はいずこに」と疑問を呈した。
この日行われた箱根駅伝の復路は、往路1位の青学大が芦ノ湖から一度も首位を譲らず、2位以下に大差をつける圧勝。往路2区から復路7区まで、6区間連続の新記録が生まれた超高速レースを制した。
青学大の王座奪還をはじめ、今年も多くの感動を生んだ一方で、陸上関係者からは問題提起の声もあがった。
陸上男子400メートル障害の世界選手権銅メダリストで五輪に3度出場した為末大氏(41)はこの日、ツイッターで「まずは箱根駅伝の財務内容を明らかにしませんか」と投げかけ、「大学スポーツにしては高額な放映権の配分や、意思決定がどのように行われているかを陸上界の人間ですらわからないことが問題視されています」と指摘。
さらに「みんな情報が開示されていないことが気にならないのだろうか。私はすごく気になる。例えば、関東の大学陸上部は箱根駅伝に強制で補助員に駆り出されるが、少なくとも私の時代は学生に支払われるバイト代はなかった。当時はボランティアではなく強制だった。長距離種目以外がなぜどういう理由で強制で駆り出されるのかがわからなかったので、質問したが当時は回答がなかった」と自らの経験を明かした上で、「大学も学生も多大な犠牲を払っているが、名誉以外にリターンはあるのか。一方で、正月二日であれだけ注目を集めるコンテンツが生み出した利益はどこにいくのか」と疑問を呈した。
大迫も、為末の投稿を引用した上で「何となく箱根駅伝をツイッターで追っていて、すごいなと思い興奮した一方でふと冷静になるとやっぱりこういう疑問が僕の頭の中では出てくる。僕が学生の当時も箱根によって何かリターンを得たという感覚は一切無かった。箱根の利益はいずこに」とツイート。そして「そうした疑問を解決、また今後の選手が最大限のリターンを受けれる様に変えていくためにも、選手主体の大会を作ることは重要。外からコンテンツに乗っかっているだけでは使われ続けるだけ」とし、「来年3月の大会に関しては着々と端無が進んでいます。間もなく、情報を追って共有出来ると思います!」(原文ママ)と、賞金大会の新設が順調であることを伝えた。
大迫は昨年10月、2020年東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)で選手に賞金が出なかったことに首をひねり、21年3月をめどに「日本で世界との差を縮めるための大会を作ります」と表明していた。
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