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◆ラグビーＷ杯 ▽１次リーグＡ組 日本２８―２１スコットランド（１３日・横浜国際総合競技場）
重い重い、代表初トライになった。前半２５分、プロップ稲垣は、タックルを受けながらつなぐオフロードパスをＦＢトゥポウから受け、ゴール中央に沈めた。「みんなでつないでくれてトライするのは、こんな気持ちなんだな」。７―７からの勝ち越し以上に、代表３３試合目で初めて味わう感覚がずっしりと胸にきた。
４年前のＷ杯で敗れたスコットランド戦でも先発。「悔しさを忘れたこともない。だからこそという強い思いはもちろんある」。“決して笑わない男”でさえも「ベスト８を目標にしてやってきて、今まで４年間いろんなものを犠牲にしてやってきて、まず一つ目標がかなって本当に良かった」と喜びをかみしめた。
今大会は全４試合に先発。不動の背番号１に定着し「けが？ したことないっす」が口癖の屈強キャラだが、新潟工高時代は負傷に苦しんだ。体育の授業でハードルに足を引っかけ、膝の前十字じん帯を断裂したことも。現在１１６キロの体重は当時の方が重く、対戦相手に「デブなだけ」と揶揄（やゆ）された。同級生で、今もオフは一緒にトレーニングする加藤健吾さんは「新人戦の準々決勝で足の指を骨折して、準決勝に無理して出て折れた骨が変な方向にいって決勝に出られなかった」と苦笑いする。
意識を変えたのはプロ入り後。「強くなければ生きていけない 優しくなければ生きている資格がない」を座右の銘に、競技へ向き合った。台風１９号の影響で、当日まで開催が危ぶまれていたが「被災した方にラグビーで元気を取り戻していただきたい。さらに激しいチャレンジが続くので、国民の皆さん全員と一緒に頑張っていきたい」。８強は、まだ世界を驚かす旅の途中だ。
10/14(月) 6:13配信 スポーツ報知
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