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急速なゴルフ人口減 関係団体は手をこまねいているだけか
世界のプロゴルフ界をリードする米PGAツアーは優勝賞金が軒並み100万ドル(約1億1000万円)を超え、メジャー大会はいずれも優勝賞金2億円超えと華やかだ。
しかし、その一方、深刻な問題も抱えている。
それはゴルファー人口の急激な減少だ。日本では2015年の770万人から翌16年は550万人と1年間で220万人も減少。
米国はピークの05年の3000万人からすでに500万人減のデータがあり、
この10年間に18ホール以上のゴルフ場が7%も減少、およそ1000コースが消滅というひどい状況なのだ。
原因は若者のゴルフ離れや、関心の低さにある。
そこで、ルール総本山のR&AとUSGAは、このゴルフ人口減を食い止めようと、
複雑で難解なゴルフルールを、若者やアマチュアゴルファーにとって、簡単で覚えやすく、スピーディーにプレーできるように簡略化に取り組んだ。
旗竿をさしたままでプレーOKになり、トーナメント中継でも目にするようになった。
ゴルフへの関心を高めてもらおうとさまざまなアイデアも出ている。16年末には米PGAツアー初の男女混合競技「フランクリン・テンプルトン・シュートアウト」を開催。
男子プロのB・デシャンボーと、女子プロのL・トンプソンの飛ばし屋2人がペアを組み、ファンの関心を集めた。
また、ツアーの日程を変更。「全米プロ選手権」を従来の8月から5月に移動。4月「マスターズ」、6月「全米オープン」、7月「全英オープン」と、毎月メジャーが行われるようになった。
米PGAツアーはアジアにも手を伸ばしている。
シーズン2戦目はマレーシアの「CIMBクラシック」、3戦目は韓国の「ザ・CJカップ@ナインブリッジス」、5戦目は中国「WGC・HSBCチャンピオンズ」。
そして、今年10月から日本で「ZOZO選手権」を開催する。
また、米PGAツアーの3部にあたるカナダ、南米、中国の各ツアーの上位者には米下部Web・comツアーの出場権を与えるシステムを設け、ゴルフの幅を世界中に広げているのがわかる。
こうした米PGAツアーの革新的な取り組みはゴルフの衰退を食い止め、発展させるための構想でもある。
だが、米国をはじめ世界中がゴルフの危機に取り組んでいるにもかかわらず、日本のゴルフ団体や関係者は具体的な対策を何も講じていない。
男子ツアーは試合数を減らし、女子ツアーにいたってはテレビ放映権帰属を巡ってテレビ各局と対立するなどファン不在のありさまである。
危機管理意識の希薄な日本のゴルフ界は衰退の勢いが止まらないだろう。
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/03/29 宮崎紘一
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