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広尾晃 ブログ「野球の記録で話したい」 第三回より (続き)
私は高校の部活の指導者に話を聞く機会があるが、高校野球の指導者が
「ライバル校の打倒」を言い、今年は良い選手が何人入った、と、自分たちの
学校のことだけを口にするのに対して、サッカーの指導者は
「まず第一に日本のサッカーの水準の底上げ」
「次に、底辺人口の拡大」
とサッカー界のことを話した後に、自分の学校のことを言う場合が多いのだ。
サッカーの指導者は、自分が日本サッカー界の一員であり、その発展に
寄与する責務があることをはっきり自覚しているのだ。
重ねて強調しておくが、サッカー界の子供たちの取り込みは、高知県だけで
行われているのではない。サッカー界全体の方針として、全国で推進されているのだ。
そのための予算を県の協会に投下しているのだ。
野球は、おそらく全く無自覚のうちに、次代を担う若年層を、サッカー界に奪われてしまった。
そして、もう戦いの大勢は明らかになっている。
野球は戦わずして破れたのだ。
今年から日本野球機構とNPBは、小学校に「ベースボール型球技」の普及の取り組みを
始めた。恐らく野球関係者にも、シェアを奪われたという認識はあるのだろう。
しかしそれは、遅きに失した。
その上プロ、アマの多くの指導者たちは、未だに危機感を抱いていない。
高校野球を主催し、多くの利得を手にしてきた大新聞社は、おそらくこの事実を把握していながら
口を噤み、高校野球100年の賛美を連呼している。