17/05/05 10:04:20.44xbOGJD5j0.net
見える化とKPI―サッカーで数値管理は可能か
URLリンク(globis.jp)
セイバーメトリックスが市民権を得るようになってきたメジャーリーグにおいてさえ、
これに批判的な現場の監督やコーチは少なくない。
たとえばセイバーメトリックスではあまり推奨されない盗塁という作戦一つをとってみても、
ランナーが盗塁するぞという姿勢を見せることで、ピッチャーにクイックモーション
(球威は落ちる)を強いたり、野手の守備位置を塁に近い場所に移動させることが
可能となり、ヒットゾーンが広がるという効果がある。
ピッチャーやキャッチャーのバッターへの集中を削ぐという意味合いもある。
数値化の進んだ野球でさえ、やはり数字だけで判断するのは危険ということだ。
サッカーでは、その傾向はさらに強い。
たとえば走行距離。求められる走行距離はチームの戦略によって大きく変わって
くるはずだし、ポジションや、相手の用いる戦略によっても変わってくるべきものだ。
運動量が重要、それゆえに走行距離が重要な指標であるという考え方そのものも
最近は変わりつつある。
FCバルセロナは、「所詮人間はボールより早く走ることはできない」ということで、
「走らないサッカー」「自分は動かずに相手を走らせるサッカー」を志向している。
走行距離は今後も重要ではあるだろうが、戦略も加味した上で、「意味のある」
走行距離を測定しないと、有効なKPIとして使うのは難しそうだ。逆に言えば、
「意味のある走行距離」とは何かをしっかり定義づけ、独自に活用できれば、
ライバルに差をつけることができるかもしれない。
「ミス率」も同様だ。そもそも何をミスとみなすのか、クリティカルなミスと、すぐに
リカバリー可能なミスをどう判別し、重み付けするのか。あるいは、体力のある
時間帯と疲労がたまっている時間帯のミスをどう重み付けするのか。
それらをしっかり勘案した上で、独自の活用ができれば、より勝率の高いチームを
作ることは可能かもしれない。