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都の南端、お台場。観光客でにぎわうフジテレビの街だ。
そんな街の路地裏で今日も小さな店に灯りがともる。
店の名は「バー レーズン」
「いらっしゃいませ。」
暖簾をくぐると店のママ牧野結美さん(42)が笑顔で出迎えてくれた。
「実は私も昔はアナウンサーだったんですよ。」
ママは、まな板の上のレーズンを数えながら笑顔で語りだす。
「あの頃は夢がありましたね。全国区の人気アナウンサーになるんだって。」
聞けば彼女は数々の男性編歴を持つバリバリの女子アナウンサーだったそうだ。
「あの頃はよかった。」
そんな彼女に転機が訪れたのは25歳の頃。
不倫相手とのSEX画像が流出し、ついにめざましTVアクアも卒業になったのだった。
フジテレビをクビなった後、静岡に帰り仕事を探すが、どこからも仕事の依頼はなかったという。
遠い目をする彼女、手に持ったまな板がかすかに震える。
「だけど、おかげで気づくことができました。名誉や地位なんかよりも大事なものがあるって。」
アナウンスから身を引いた彼女が見つけた幸せ、それは一人でも多くの人を笑顔にすること。
そう思って始めたのがこの店だという。