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【引用】 川淵三郎 「虹を掴む」(講談社、2006年) pp175~176
第5章 竜虎相博 球界のドンvsチェアマン―読売グル―プとの暗闘
渡邉さんによって磨かれた理論武装
税金問題にしてもそうだ。
渡邉さんはプロ野球のようにチーム名に出資企業の名前を付けることにこだわるあまり、チーム名に出資企業名が付かないと、
その企業からクラブへの赤字補填のお金が広告宣伝費として損金扱いされないと主張した。これも全くの誤解。
渡邉さんとは逆に、チーム名から企業名をはずすことにこだわっていた私はJリーグを立ち上げる前からこの件について国税庁に相談を持ちかけていた。
そしてプロ野球球団への親会社の赤字補填のお金が広告宣伝費として認められているのは、国税庁長官の通達でしかないことを教えてもらっていた。
その通達は当時プロ野球チームを所有していた映画会社や鉄道会社からの陳情を受けて昭和29年8月10日ぐらいに出たもので、それが今に生きているということだった。
われわれは、Jリーグではチーム名から出資企業名を外したい、それでも出資企業から受け取るお金を広告宣伝費として認めてほしいとお願いした。
すると国税庁は「ユニフォームの胸に企業名でも入れば問題がない」という。
が、名古屋グランパスエイトをサポートするトヨタ自動車や鹿島アントラーズをサポートする住友金属は「そんなケチな真似はしたくない。
うちは企業メセナ的な発想でやるのだから」という考えだった。
それで「胸に企業名を入れないクラブもある」と答えたら、「それならユニフォームのどこかしらに、
小さくてもいいから何か出資企業の証になるものを入れてくれれば広告宣伝費として認めましょう」と言ってくれた。
それで名古屋や鹿島はリーグ開幕当初、非常に小さなマークをいやいやながらユニフォームの袖に入れていたわけである。
「何も入れたくない」というトヨタ自動車や住友金属に「頼むからマークを入れてくれ」とお願いしたのはこちらだったのである。
この件に関する渡邉さんのJリーグ批判は、そういう過去の国税庁のやり取り、出資企業とのやり取りを全くご存じなかったのだと思う。
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