16/04/01 11:38:44.43 a2pSogmA0.net
小林よしのり
●弱者を知らない者たちの差別意識
例えば、乙武氏は性欲を自分で処理することができない。
これに想像が及ばない者が、健常者と同じ感覚で批判しても無意味だ。
重度の身障者だからこそ、民間人ならば、わしは乙武氏を大したものだと褒めたはずと言ったのだ。
権力欲さえ持たなければ、超肉食系で女を口説きまくっていても構わなかった。
乙武氏には性欲の処理にも介護が必要なのだ。
AVを見ても、手も足も出ない乙武氏には、性欲の処理はできないから、生身の女性に相手をしてもらうしかない。
これは切実な問題だ。
「週刊文春」の記事によれば、乙武氏の妻が子育てに追われて、夫の夜の営みに対応できなかったのだという。
だから責任を感じたのだという。わしはそれでも妻が謝罪すべきではないと思うが。
乙武氏の場合、妻が拒否すれば、取れる方法は2つだ。風俗に行くか、素人の女性を次々に口説くかだ。
普通の身障者ならば、風俗で処理してもらうだろう。身障者の場合、「処理」とは「介護」と同義になる。
男が全員、自分で処理できる健常者ばかりではない。性的な介護が必要な男もいるのだ。
そのような男の相手をしてくれる女性は、「看護士」に準ずる職業だと言える。
だからこそ、性風俗は「職業」として認知してあげればいい。社会が必要な「職業」じゃないか!
そして女性の側から考えても、売春という「職業」がどうしても必要な弱者はいるのだ。
そのような女性がどんな人なのかまでは説明しない。
世の中のほとんどの者が、残念ながら弱者の現実に想像を巡らせることができない。
男にも、女にも、どのような弱者がいるかを知らないのだ。
「世間知らず」のガキばっかりが男にも女にもいる。
だから無意識のうちに、驚くべき差別的な発言をしている。
わしは大学時代に、肉体労働のアルバイトばっかり経験したおかげで、最下層の労働者の現実を見てきた。
やくざ者がウロウロしている博多の裏通りの喫茶店で、アルバイトをしていた時期もあったから、
どんな男女がそこで生きているかを知っている。
多分、新宿で働いて、男女の生態を観察してきた泉美さんも、わしが見てきた「人間社会の裏の実態」を知っているだろう。
わしの読者にしても、陽の当たる社会しか知らないようだ。感想がいちいち幼稚で見ていられない。
みんな「お花畑」で育って良かったね、と言いしかない。
しかし、そういう者たちは、本当に弱者に対して、無情だなと思う。