16/03/26 19:44:11.39 CAP_USER*.net
※>>1の続きです。
堀江 僕はいろんな著書で言ってますが、日本の義務教育は、国家の忠実なしもべをつくるためのシステム、はっきり言うと兵隊を教育するためのものです。その点ではとても効果のあるシステムなんですが、戦争を始める可能性もメリットもない日本に、現行の学校教育はもうそぐわない。アジアのなかで最初に先進国化して、グローバルに参入できたんですから、多様性を活かす教育に、現場レベルで変わってほしいですね。ニートで引きこもりでも生きていける社会になっている。無理して対人コミュニケーション能力を上げなくていいし、好きなことだけやって、それを突き詰めれば、みんな生きていけるはずなんですよ。
ヤマザキ これも島国という特殊な風土環境で、変化しづらいことと関係してるんでしょうね。グローバリズムが到来したからといって、他の大陸国家みたいに、素早く転換できるわけではない。
堀江 僕の見立ては違うんですよ。日本もかなりのスピードで変わっていくはずです。変わらざるを得ない。多くの日本人は、いまだに世界第2位の経済大国のイメージを引きずっていますが、だいぶ前に中国に抜かれていて、実質的には4位か5位。一人あたりのGDPは、世界で27位です。おそらくこのランキングは下がることはあっても、数年内に上がることはない。日本がどのようなグローバル国家へ転換していくべきか、日本なりの有効な方策を、各分野で採っていかないと、アジア圏内での順位はさらに落ちていくでしょう。
ヤマザキ 境遇としては、イタリアも似たようなものですね。人口はほぼ6千万人で日本の半分ですけど、一人あたりのGDPは、日本に次いで世界28位でほとんど同じです。
●世界的に巻き起こる「わが国こそナンバーワン」現象
堀江 ヤマザキさんは、いまはイタリアのどんなところにお住まいなんですか?
ヤマザキ イタリアのパドヴァです。ベネチアのそばの街。古い大学がある学園都市みたいなところです。ベネチアほど観光地化してないんですよ。
堀江 ずっとイタリア在住ですか?
ヤマザキ 今まで暮らした中で一番長いのは、そうですね。初めは学生時代にフィレンツェに12年くらい住んで、いったん日本に帰り、エジプト、シリア、ポルトガル、アメリカで暮らして、またイタリアに戻りました。
堀江 なかなかすごいですね。
ヤマザキ いえ全然。自分の意思で動いてきた結果ではないので。どこの国へ行くのも、親が勝手に決めたことだったり、旦那の学業や仕事の都合だったりで、自然にそうなってしまった感じでした。でも、イタリアは、一番長く住んだ国でもあるので、気兼ねなく暮らせます。ただし現在のイタリアという国には、若干おごりがあるのが気になりますが。
堀江 というのは?
ヤマザキ 全国的に観光地化が進みすぎて、国家経済的に観光ビジネスが、わあっと大きな成果を生み出してしまった。それで国の性格が変わっちゃったというか。とりあえず黙ってても観光で経済も潤うし、周辺国との連携とか、政治的に成長していこうという方向に行かない。次の時代に行くための、有効な展開を見失っている気がします。その意味では少し日本と似ているかもしれませんね。
※さらに続きます。