15/12/03 17:08:12.33 CAP_USER*.net
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最後の30分間、遠藤と宇佐美の存在感が薄れた。それが結果にも影響した。
12月2日、広島とG大阪によるJリーグチャンピオンシップ決勝の第1戦が行なわれ、3-2で広島が勝利した白熱の一戦を、私はスタジアムで見ることができた。
火曜日の午前5時に私の自宅があるベックナム(ロンドン南東部の街)を飛び出してから、大阪まで合計39時間の移動―。
実を言うと、私のフットボール観戦歴のなかでも、こんなに長い移動時間を要した試合は経験したことがなかった。最近、私が行ったクリスタル・パレス対サンダーランドは車でたったの30分だった。
そんな大変な思いをしてまでも、前々から良い選手だと聞いていたG大阪の宇佐美を生で見てみたかったし、その価値があると思った。
連係プレーからの崩しは素晴らしく、そしてなにより宇佐美がボールを持つたびにG大阪のファンがざわついていたのが私には印象深かった。
そして、個人的に驚きだったのは遠藤だ。他の若いプレーヤーに混じってプレーし、キャプテンとしてチームをまとめる彼の姿には感銘を受けた。
しかし、両選手が白熱した好ゲームの最後の30分間において存在感が気薄になってしまったのは残念だった。そしてそれが結果として試合にも影響していたように思う。
さて、今シーズンから2シーズン制となり、優勝プレーオフも導入されたJリーグの新フォーマット。その仕組みについてファンを中心に論争が巻き起こったことは、私も知っている。
イングランドで、この形式に近いものはチャンピオンシップ(ENG2部)の昇格プレーオフだろう。Jリーグのプレーオフと同様にイングランドでも当然、テレビで放映され、話題となる。
これほどまでの興奮や関心を、第2戦でも抱かせることができるだろうか……。
しかし、出場チームの中でシーズンを最も低い順位で終えたチームが、成績の良かったチームを下し、プレミアリーグに進むことに不満を抱いている人もいるのが事実で、
重要な試合であるにも関わらず、空席が目立つこともある。しかし、幸いにも万博記念競技場でのゲームは満員だった。
そして、クリスタル・パレスのファンも歌っていたザ・ホワイト・ストライプス(アメリカのロックバンド)の『Seven Nation Army』を原曲としたチャントをどんな状況でも歌い続けた広島のファンからは、
イングランドのプレーオフのような冷めた印象は受けなかった。
試合内容も両チームが2試合制であることを考え、立ち上がりは自分たちの武器を発揮してオープンな展開にするというよりも負けないサッカーをしていたが、
後半は張りつめた緊張感が爆発したのか、計5点が入り、広島がロスタイム逆転劇を演じるエキサイティングなものになった。
とはいえ、1試合で王者を決めないことを私は残念に思う。
Jリーグにとっても良い宣伝となったであろう、この素晴らしい一戦でシーズンを終えられれば、ファンの脳裏に忘れがたいシーズンとして好印象を残したはずだ。
フットボールはなにが起こるかは分からないが、これほどまでの興奮や関心を第2戦でも抱かせることができるだろうか……。
土曜日の2試合目がどんな展開になるのかを楽しみにしよう。
取材・文:スティーブ・マッケンジー
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。
また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。
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