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[東京 17日 ロイター] - ホンダ で前例のない連続的なリコール(回収・無償修理)が起き、伊東孝紳社長(61)率いる現経営陣が厳しい対応を迫られている。リコールの影響で
品質の再検証に時間と精力を割かれ、その結果、新型車の発売は1年間もゼロの状態だ。ホンダ車の5割が搭載するタカタ 製エアバッグの異常によるリコール問題も米国で深刻化し、
さらに追い討ちをかけている。伊東社長は危機をどう乗り切るのか、同社役員OBからも心配の声が上がっている。
<歴代社長が伊東社長を訪問>
今年10月、1990年から98年まで社長を務めていた川本信彦氏(78)が本社(東京・青山)に出向き、伊東社長を訪れた。元役員など複数のホンダ関係者によると
、ここ数年、急増しているリコールについて、ホンダブランドのダメージにつながりかねないとして、品質問題にすばやく対応するよう厳しい口調で諭したという。
「いったいホンダはどうしたのか。どこかがほころんでいる」―。1980年代の経営陣の1人で、川本氏の訪問を知る元役員は、ロイターの取材に対し、「ホンダの社内はほとんど
危機感を感じていないのでは」と懸念を示した。「川本氏はそうした社内の雰囲気にフラストレーションが募り、わざわざ伊東社長に会いに行ったのだろう。ただ、伊東社長が川本氏の真意を理解したかどうかはわからないが」。元役員はそう続けた。
リコール制度は、少しでも不具合が見つかれば、重大事故につながらないよう隠さず速やかに回収・修理して対応するもので、リコールそのものは悪いことではない。フィットの場合をみても、
不具合の部位は5回すべてが同じではない。ただ、同一車種、しかも新型車が発売直後のわずか1年間で5度や3度もリコールを実施するのは「前例がなく、検証が不十分だった」(ホンダ広報)ことは
否めない。役員OBらが 「今のホンダは根本的にどこか悪いのでは」と感じるのも無理はない。
URLリンク(jp.reuters.com)