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いっぴんゼッピン！:スガキヤのラーメンフォーク ソウルフードの脇役 ／愛知
毎日新聞 2013年02月10日 地方版
◇環境保護願い誕生
スガキヤのラーメンは、名古屋に住む多くの人が一度は食べたことがあるだろう。知名度と人気の高さから、地元の「ソ
ウルフード」（地域に根ざした名物料理）として長年親しまれてきた。欠かせない脇役が同店独特の食器「ラーメンフォー
ク」だ。なぜ箸ではないのだろう。
店頭で現在使用しているのは、２代目フォークだ。開発に携わったスガキコシステムズ広報担当・吉田学さん（３９）は
「ラーメンフォークはスガキヤのシンボルです」と語る。
最大の特徴は、スプーンの先にフォークの歯が付いた独特な形状だ。フォーク部分で麺を取り、スプーン部分でスープを
飲む。二つの機能を１本の食器に集約させた。
初代フォークの誕生は７８年で、創業者の故・菅木周一氏が「割り箸がもったいない」と箸に代わる食器を目指して考案
したという。２代目は創業６０周年の記念事業として開発し、０７年から店頭に導入した。開発には約１年を要したという。
高級食器メーカーの地元・ノリタケカンパニーリミテドに共同開発を求め、東京のデザイナーに基本デザインを依頼した。
フォーク部分の歯の本数や長さなど「当初は数え切れないほどのデザインを用意した」と吉田さんは振り返る。スガキヤ
のイメージキャラクター「スーちゃん」の顔形フォークなどの案もあったという。５種類の候補に絞り込み、一般の人に試
作品で食事をしてもらうなどして、２代目を選定した。
２代目では、フォーク部分の歯を初代の３本から４本に増やし、スプーン部分の形状もほぼ真ん丸とした。柄の部分も初
代から太くし、「フォーク部分に麺が絡みやすくなり、柄の部分も手になじみやすくなった」（吉田さん）とさまざまな工
夫を凝らした。
２代目は意匠が評価され、米ニューヨーク近代美術館（ＭｏＭＡ）のミュージアムショップで販売されているほか、同ショッ
プのインターネットでも通販されている。吉田さんによると、年間１万本以上が売れる人気商品になっているという。