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村上春樹さん寄稿 領土巡る熱狂「安酒の酔いに似てる」 [掲載]2012年09月28日
作家の村上春樹さん(63)が、東アジアの領土をめぐる問題について、文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せた。
村上さんは「国境を越えて魂が行き来する道筋」を塞いではならないと書いている。
日本政府の尖閣諸島国有化で日中の対立が深刻化する中、北京市出版当局は今月17日、日本人作家の作品など日本関係書籍の出版に
ついて口頭で規制を指示。北京市内の大手書店で、日本関係書籍が売り場から姿を消す事態になっていた。
エッセーはまず、この報道に触れ、ショックを感じていると明かす。この20年ほどで、東アジアの文化交流は豊かになっている。そうした文化圏の
成熟が、尖閣や竹島をめぐる日中韓のあつれきで破壊されてしまうことを恐れている。
村上作品の人気は中国、韓国、台湾でも高く、東アジア文化圏の地道な交流を担ってきた当事者の一人。中国と台湾で作品はほぼ全てが
訳されており、簡体字と繁体字、両方の版が出ている。特に「ノルウェイの森」の人気が高く、中国では「絶対村上(ばっちりムラカミ)」、台湾では
「非常村上(すっごくムラカミ)」という流行語が生まれたほどだ。韓国でもほぼ全作品が翻訳され、大学生を中心に人気が高い。東アジア圏内の
若手作家に、広く影響を与えている。(村上さんの寄稿エッセー全文は以下)
URLリンク(book.asahi.com)