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「リオへの思い変わらない」野口、禁を破っても記したい「頑張れ!」
2016年1月15日 08:00
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年齢を重ねるにつれ、同世代のアスリートが、より気になるようになった。体力の
衰えを痛切に感じる、きょうこの頃。自らをストイックに律し、着実に忍び寄る老いに
抗う姿を見ると、仕事を忘れて声援を送りたくなる。昨年12月に現役を引退した
女子サッカーの澤穂希さんは同学年。他にサッカーなら元日本代表で横浜の
中村俊輔、野球なら巨人の阿部慎之助、五輪では女子マラソンの野口みずきが
同学年だ。
04年、26歳の野口は灼熱のアテネ五輪で金メダルを獲得。07年、29歳の
野口は難コースの東京国際を2時間21分37秒というスーパーレコードで制した。
「速さ」では2時間15分25秒の世界記録を持つラドクリフ(英国)に及ばなくても、
「強さ」は野口の方が圧倒的に上だった。08年北京での五輪連覇は間違いないと
僕は確信したが、左足付け根の故障で大会直前に欠場に追い込まれた。
以降、野口は故障を繰り返し、アテネの輝きを取り戻せていない。12年の
名古屋ウィメンズ6位に終わり、ロンドン五輪出場に届かず。13年の世界選手権には
出場したものの、熱中症で途中棄権した。リオデジャネイロ五輪選考会は、
昨年11月のさいたま国際、1月の大阪国際にはエントリーせず。3月の
名古屋ウィメンズで好走することでしか、リオへの道は開けない。
最後に取材したのは昨年2月。「リオへの思いは変わらない」という言葉は
熱かった。僕は、アスリートには「頑張って」とは言いたくないし、言わないように
している。世界を目指すアスリートは、既に常人の理解を超えた範囲で
頑張っていると思うから。でも、37歳の金メダリストに対しては、禁を破ることにした。
苦闘の日々が報われることを信じて、記そう。
野口、頑張れ!(杉本 亮輔)