15/12/27 22:14:01.05 CAP_USER*.net
契約更改ではファンも一喜一憂
「大谷の年俸が2億円、生活費が月1万円」「大谷のメジャー相場、244億円」「年俸倍増1億7000万の阪神・藤浪、大谷2億円にすごいと脱帽」
オフはお金関係の記事がどうしても中心になるのだ。
プロ野球ファンには面白い習性があって、自分の懐とまったく関係ないのに選手の(推定)年俸の記事が大好きだ。
もう契約更改の時期になるとスポーツ紙を欠かさずチェックする。揉めて越年したりすると「どうするんだよ、まったく」と関係ないのに大騒ぎする。
プロ野球の生々しいリアリティーなのだ。
勝ち星や打率と(推定)年俸の数字をまるで貸借対照表か何かのように照らし合わせる。
新シーズン、選手名鑑が発売になると持ち歩いて(推定)年俸を暗記したりする。
あれだなぁ、インセンティブが出来てからは契約が複雑になって、ちょっとつまらなくなったなぁ。数字の生々しさが物足りない。
ファイターズは「2位独走」の安定したシーズンを過ごしたから、契約更改も概ね暖冬傾向であったようだ。
もっとも主力野手では中田翔が提示された金額に失望しかけて、インセンティブで気を取り直しサイン、また陽岱鋼は低評価に驚き、いったん保留し、後日やはり気を取り直してサインしている。
こういう場合、ファンは「庶民感情」そのものという感じの反応をする。
基本的には働く者の味方なのだ。
頑張ったんだから上げてやれよ。球団側と選手側なら選手のほうに立つ。もっとも選手が「お金に汚い」印象を発するとあっという間にソッポを向く。
欲をかかず、「数字を見ないで一発更改」みたいなタイプが好まれるのだ。
チームが強くなっても経営側にとって喜んでばかりもいられない
だから、今回の考察はオフのファン心理にはちょっと抵触するものかもしれない。
球団側の事情も考えてみようという趣旨なのだ。読者はこういうことをイメージしてみたことはないだろうか。
チームが黄金時代を迎えるのだ。優勝優勝、また優勝。当然、戦力も充実している。投手も野手も毎年、順調に成績を伸ばしている。
チームの結束も固く、不祥事なんかとは縁がない。モチベーションが高いせいなのか、不思議とケガ人も出ない。球団愛でまとまってるからメジャーに流出する選手も一切いない。
もう、ファンとしてはウヒョウヒョ状態じゃないですか。人生バラ色。ただこれがね、球団経営者から見たら頭の痛いところじゃないかと思うんですよ。
チームが優勝して、選手成績が向上しているんだから年俸を上げなきゃいけない。ダウンはもちろん、現状維持提示なんかしようものならファンから怒られます。
上げない理由がどこにもないんだなぁ。だけどね、球団側からすると、優勝して人件費が上がってもチケット料金を上げるわけにいかないでしょう。
エースの年俸が倍にハネ上がったから外野席料金も倍にしますって話にはならない。
まぁ、球団収入はグッズ売り上げもあるし、スポンサーフィーや放映権料もあって、それはチームが強くて人気があったらある程度までは増やせるものかもしれません。だけど限度があるでしょう。
昔、関西の球団経営者が「いいか、優勝は争っても優勝するな、優勝したら経営に響くからな」と言ったとか言わないとかいう騒ぎになったけれど、
確かに「お客さんが入って優勝は逃す」状態がコスパ的にはいちばんかもしれません。
だから僕はファイターズがユニホームを変更して、帽子までホーム用とビジター用2種類作ったときも、「客単価上げないとなぁ」と納得したんだよなぁ。
球団のサイフは打ち出の小づちではない。まして資金力じゃ太刀打ちできないチームがリーグに複数存在するんだねぇ。
えのきどいちろう
ベースボールチャンネル 12月27日(日)18時50分配信
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)