15/12/21 14:02:28.32 CAP_USER*.net
近く新計画が決まる新国立競技場を巡り、建設費の5割超をスポーツ振興くじ(toto)に頼る枠組みが明らかになった。
財源確保には売り上げの維持が課題となるが、専門家から「綱渡りの運用」との指摘も出る。
政府と東京都は今月1日、建設費の負担割合について合意した。
最大で1581億円となる分担対象経費について、半額の791億円を国が負担し、残りを4分の1(395億円)ずつ、都の負担とtotoの収益で賄うことになった。
スポーツ庁によると、国負担791億円のうち、234億円は既に国から事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)に支出され、
スポーツ振興基金から取り崩す125億円と合わせて、計359億円は財源が確保されている。残り432億円が必要だが、これもtotoの収益に頼るという。
結局、totoの収益から競技場建設費に充てられるのは、政府と都の合意でtotoの収益から支出されると明示された395億円に432億円を加えた計827億円。
建設費の半分超をtotoに頼る形になる。
このため政府は来年、totoの売り上げのうち競技場建設に振り向ける割合を現行の5%から、8年間の時限措置として10%に引き上げるJSC法など関連法の改正をする方針。
totoの売り上げが過去最高の1100億円だった2014年度で試算すると、競技場建設に充てられる10%分は年110億円。
売り上げが維持できれば8年で計880億円となり財源は確保できる。しかし、14年度はサッカー・ワールドカップ(W杯)の試合を初めてtotoの対象とし、期間中に売り上げが大きく伸びた。
一方で売り上げ全体の7割を占める主力商品「BIG」の売れ行きは横ばい。サッカー以外に対象競技を広げる議論もあるが結論は出ていない。
totoに詳しい和光大の原田尚幸教授(スポーツマネジメント)は今回の財源の枠組みについて「toto売り上げの維持を前提としており、綱渡りの運用と言わざるを得ない」と話す。
その上で「totoがスポーツ振興や20年東京五輪・パラリンピック支援につながることをアピールし、多くの人が寄付感覚で購入する雰囲気を醸成することが必要だ」と指摘する。
周辺整備や旧競技場の解体などを含めた競技場の整備費は最大で1645億円。分担対象経費1581億円を差し引いた残額のうち、37億円は都立施設関連費で東京都が、
27億円は上下水道工事費で受益者のJSCが支出する。【飯山太郎】
◇toto
スポーツ振興の財源確保のため2001年度に導入され、日本スポーツ振興センター(JSC)が販売する。サッカーJリーグの試合結果などを予想し、的中すると当選金を得られる。
購入者が結果を事前に予想する「toto」系と、コンピューターが無作為に結果を予想する「BIG」系がある。06年度に最高当選金6億円のBIGが登場して、売り上げが伸びた。
◇
totoは、売り上げの50%を当選者への払戻金に充て、さらに運営費を差し引いた残額が収益となる。
収益の3分の2は自治体やスポーツ団体への助成金に使われ、3分の1は国庫納付金として国の一般財源に入る。
政府と都の合意でtotoの収益から出ることになった395億円は、助成金に充てるはずだった部分から振り向ける。
一方、国庫納付金に予定されていた部分から、国負担の残り分432億円を確保することにした。
国に入るはずだった収益を「国費」と位置づけて競技場の建設費に回し、税金からの新たな支出を避けるという枠組みだ。
これに合わせ、自治体などへの助成金額を維持する措置も取る。
毎日新聞 12月21日(月)3時0分配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)