15/11/02 15:48:20.42 *.net
東京のチームが出場したが
以前は放映権獲得をめぐって、放送局間で争奪戦が繰り広げられたプロ野球の日本シリーズ。
ここ数年は人気がすっかり落ち着き、話題になったのは２００７年中日－日本ハム第２戦が９・２％
（関東地区、ビデオリサーチ調べ、以下同）と史上初めて視聴率ひと桁を記録したことや、
１０年中日－ロッテ戦でついに地上波での生中継が行われなかった（第１、２戦）ことなど、寂しい話ばかり。
１３年にシーズン２４連勝を果たした田中将大投手の楽天と巨人が戦い、軒並み視聴率２０％を超えた
１３年のシリーズは、最近では例外的な出来事だ。
昨季の阪神－ソフトバンクの日本シリーズは、リーグを代表する人気チーム同士の戦い。
さすがに地元の関西、北部九州地区では２０％を超えたが、首都圏での視聴率は全５戦を通じて
１０％前後をウロウロ。ならば東京のチームが出場した今年のソフトバンクｖｓヤクルト戦は－と注目されたのだが、
福岡ヤフオクドームで行われた１、２戦が９・３％と７・３％、神宮での第３戦が９・４％とふた桁に届かない。
その報を聞いたソフトバンク・工藤監督、「東京ヤクルトなのに、そんなものなの」とズッコケたそうだ。
初の「珍事」も
第４戦と日本一が決定した第５戦は１２・５％、１２・３％といずれもふた桁にのったが、
実はこの２試合はＢＳでの同時中継がなかった。つまり、単純計算でいくと視聴率換算で３％分の視聴者、
割合でいうと試合を見たいと思っている人の３割前後がＢＳで野球を観ていることになる。
さらにこのシリーズでは興味深い現象もみられた。第１戦（ＴＢＳ系）、第２戦（テレビ東京系）は
冒頭の３０分を分割して視聴率を出している。日本シリーズが始まるのはまだ夕方の６時台だから、
在宅率が夜より低く視聴率も芳しくない、だから平均値の足を引っ張りそうな部分を別にくくり、
ゲームが佳境に入ってきたあたりの数字を平均視聴率に反映させようとするわけだ。
地元は大盛り上がりだったが…
ところがこのシリーズに限って、冒頭の３０分の方が数字がいいのだ。第１戦は１％強、
第２戦でも午後６時半からの３０分が７・７％で、あとの３時間強が７・３％と０・４％高い。
これまで、ゴールデンタイムで数々のスポーツ中継が行われ、こうした分割の視聴率も出されてきたが、
例外なくメーンの視聴率の方がいいから、まさに珍現象といえる。
ここから導き出されるものは－日本シリーズという大きなスポーツイベントに野次馬的興味を持った人が
チャンネルを合わせたが、早々に興味を失ったか、毎週ルーチンで見ている番組が始まったため
チャンネルを替え、そのまま戻ってこなかった－というもの。推論だが、そう大きく外れてもいないだろう。
０７年にセ・パ両リーグでクライマックスシリーズ（ＣＳ）が採用され、ドラフト会議も１０月中の開催が常態化した
現状ではシーズンオフの日程が過密化。人事問題などで昭和の時代にあった「日本シリーズの邪魔はするな」
という球界暗黙の了解も、そうそう守ってはいられない。
さらに今年は阪神、巨人の監督が交代。中日の山本昌、和田、小笠原をはじめ、谷（オリックス）や
西口（西武）など大物選手の引退も相次ぐなど、球界に一つの時代の終わりを告げるような激動のオフだった。
阪神のストーブ情報一色だった関西のスポーツ紙だけでなく、日本シリーズを盛り上げようにも逆に
そうしたニュースに埋没してしまった感は否めない。
結局巨人が出ないと大きな数字が取れないというなら、いっそ以前のようにデーゲームに戻してはどうか。
秋晴れの、少しひんやりとした風の中で戦われるシリーズは何ともいえぬ雰囲気があった。土・日の昼なら
球界が課題とする小・中学生へのアプローチにもなると思うのだが…。（市坪和博）
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