15/10/16 21:36:13.09 *.net
2020年東京五輪でソフトボールが3大会ぶりに復活する見通しとなった。
08年北京五輪で金メダルを獲得した上野由岐子選手(33)=ビックカメラ高崎=ら、多くの日本代表を輩出した福岡県は、実は日本ソフトボール協会に登録する小学生の数が4418人と全国最多。
ただ、近年は人気が陰り、競技人口が減少傾向という。関係者は東京五輪に期待を膨らませる一方、1回限りの追加種目に終わらせず、正式種目としての定着を切望している。
北京で上野選手とバッテリーを組んだ峰幸代さん(27)、現在は母校の三潴高(福岡県久留米市)で監督を務める藤本索子さん(34)、シドニー、アテネ五輪代表の内藤恵美さん(36)=現姓松岡、豊田自動織機コーチ…。
福岡出身の五輪選手は数多い。今秋の国民体育大会で、県代表は九州・沖縄予選を勝ち抜き、14年ぶりに成年男女、少年男女の全種目に出場するなど、王国ぶりは健在だ。
同協会に登録する県内の選手数(14年度)は、小学生から65歳以上(ハイシニア)までの全世代で8830人。全国では5位だが、小学生に限ると、2位の鹿児島県を1200人以上上回ってのトップだ。
背景には男子の野球熱の高さがある。小学生のころは、野球の“入門”的にまず男の子が始め、興味がある女の子も男子チームに交じって白球を追う。
上野選手の母校、九州女子高(現福岡大若葉高)の粂本健監督は「上野や今の女子選手も、ほとんどがお兄さんや親に連れられて始めた」と言う。地元のプロ球団、福岡ソフトバンクホークス人気も熱さの一因だ。
★中学に入ると五輪種目に転向する子も
ただ、県ソフトボール協会によると、5年前に270あった小学生のチーム数は、今年は230に減った。
プロ化から20年余りが過ぎ、地域の隅々まで育成組織があるサッカーなどと違い、指導者はボランティア頼み。少子化に加え、他のスポーツに流れる子が多いという。
男子の大半が野球に転向する中学生はより厳しく、県内の376校中ソフトボール部があるのは85校。この10年間で16校減った。
学校以外の受け皿をつくろうと、7年前に福岡市初の中学生クラブチーム「福岡レッドドリームズ」を立ち上げた内藤和英さん(40)=恵美さんの兄=は「学校では女子が9人そろわないとできないし、一度廃部になると復活は難しい」とこぼす。
頂点に立った北京五輪後に五輪競技から外れたことでも「人気を盛り返す機運」(市ソフトボール協会の久野伸一事務局長)を逃した。
粂本監督は「選手の親の関心も低くなり、中学に入ると五輪種目に転向する子も出てきた」と指摘する。
ソフトボールの五輪復活について、22歳で東京五輪を迎える福岡大若葉高の前主将、西野希美さん(3年)は
「周囲から『出たら絶対見に行くから』と言われ、オリンピックのすごさを実感した」と心を躍らせる。
とはいえ、小中学生が五輪を目指す道が開かれたとはまだ言えない。東京五輪以降の実施には、正式種目への格上げが必要だからだ。
「アマチュアにとって最高峰の舞台。子どもたちが五輪に出る夢を持ち続けられるよう、継続して国際オリンピック委員会(IOC)に働きかけてほしい」と内藤さんも期待を込める。
ソフトボールが五輪から除外されたのは、欧州やアフリカで浸透していないことが要因とされる。
日本ソフトボール協会は、東京五輪に向けた政府のスポーツ普及プロジェクトへの参画を申請しており、認められれば海外への指導者派遣などを行う。「王国」の土台を守れるか、今後の取り組みがカギを握る。
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