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順調に歩んできたサッカー人生にあって、FC東京のDF奈良竜樹(22)は今、大きな壁に直面している。
札幌から期限付きで移籍してきた今季、いまだにリーグ戦出場はない。
「試合に出られないから悪い移籍だったわけではない。決断は間違いではなかった」。もがき続ける中で何かを見つけ、自身の成長につなげる考えだ。
北海道北見市出身。札幌ユースから2012年にトップチームに昇格しすると、この年、センターバックとしてJ122試合に出場した。
札幌がJ2に降格した後の13、14年はリーグ戦計74試合に出場し、チームに欠かせない存在となった。
そんなチーム内の地位を捨て、慣れ親しんだ北海道を離れる決断をしたのは、他でもない自身のさらなる成長のため。
FC東京には、日本代表の森重真人ら経験豊富なセンターバックがいる。激しいポジション争いに身を置くことで得られるものは大きいと考えた。
身長180センチながら、高いジャンプ力や体幹の強さを生かした空中戦が魅力。足もとの技術や1対1の守備にも定評がある。
移籍後はなかなか試合に出場できず、東京サポーターに自身の持ち味を披露できない日々が続いた。
9月になって、ようやくチャンスが巡ってきた。
同じポジションの森重と丸山祐市が日本代表に招集され、チームを離れることに。この間に行われたヤマザキナビスコ・カップ準々決勝の鹿島戦に先発することになった。
ホーム&アウェイで行われた2試合ともフル出場。2試合計2-5で敗れ、勝利に貢献することはできなかった。
それでもDFラインの統率など一定の役割を果たし、「自分がどんなプレーができるか、監督、選手、サポーターに示せたのは収穫」と前を向いた。
FC東京移籍から数カ月がたった。札幌にいたときは、「何も考える間もなく次々試合が来て、その流れに身を任せていた」という。
でも今は違う。「自分がどうならなくてはいけないか、監督が何を求めているか考えるようになった」
試合に出られず、冷静に自分を見つめる時間を得たことで、考えることの重要性を初めて感じることができた。それだけでも、FC東京に移籍した意味は大きいだろう。
まずはチームでレギュラーを勝ち取ることが目標。
ライバルの森重、丸山について、「刺激になるし、危機感にもなる。この人たちより練習しないと抜けない」。大きな壁だが、「越えてみせる」という気概は全身からにじみ出ている。
チームで居場所をつかんだ先には、世界との戦いが待っている。
2016年のリオデジャネイロ五輪を目指すU-22(22歳以下)日本代表には招集され続けている。「(チームとU-22の)2つのモチベーションがあるのは幸せなこと」。
現在味わっている苦しみは、きっと財産になる。五輪予選を勝ち抜き、リオのピッチで成長した姿を見せたいところだ。
◆産経ニュース
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