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米国で野球離れが進む一方、韓国では若い女性を中心に野球人気が高まっている
By JONATHAN CHENG 2015 年 9 月 18 日 13:35 JST
大学生のハン・ガユンさん(20)と姉のスジンさんは、ある火曜日の夜、ソウルにある野球場の高い位置にある手ごろな価格の席に座っていた。
LGツインズの球団ジャージーを来たハン姉妹は、ホームで宿敵ネクセン・ヒーローズにリードされて苦戦しているツインズを応援していた。
2人は1カ月に5回は球場に足を運ぶ。フライドチキンをほおばり、ビールをすすり、周囲に合わせてスティックをたたく。
「私たちが小さいときはよく父と来た」と、スジンさんは周囲の歓声の中で話した。「でもLGはもう強くないので父は興味を失った」
この姉妹はあきらめていない。韓国野球委員会の10球団からなるリーグ戦で、ツインズは今のところ56勝73敗と下から2番目だ。
それでもハン姉妹は、球場に来ない時でもテレビやスマートフォンで試合を観戦する。
韓国野球はこれまでで最も多く、最も若い層の観客を引きつけている。特に大学生や知的職業の若者、若い女性の間で人気が高まっている。
ツインズによると、ファンクラブの会員に占める女性の割合は2011年の25%から今年は45%に急拡大した。
予算に乏しい若者のために、球場は比較的安価なナイター観戦を提供している。座席料金は最低7.5ドル(約900円)で、
手ごろな価格の食べ物が売られているほか、500ミリリットルのドラフトビールは2ドルほどだ。
韓国スタイルの野球は、スポーツとエンターテインメントを組み合わせた「スポーテインメント」を提供する。これは米大リーグ(MLB)の純正主義に対抗するコンセプトだ。
ダッグアウトの上ではチアリーダーたちがお決まりのダンスの手本を披露する。スティックをたたく音は鳴りやまない。イニングの合間には女性たちの間でビールの一気のみ競争が行われる。
ホームチームの打者には、それぞれお気に入りのテーマソングがあり、「サーフィン・USA」などの曲に選手の名前を埋め込んだ歌詞が付けられている。
米ロサンゼルス出身で、米野球学会の韓国部門を率いるパトリック・ブルゴー氏は「米国では人々は野球を見るために試合に足を運ぶ」と語る。
「韓国ではイベントを経験するためにやって来る。グラウンドの内でも外でもだ」
ソウルの成均館大学で韓国野球史を教える米国人のトーマス・セイント・ジョン氏は、最近女性ファンが増えていることに驚いているという。
「1990年代の女性ファンは筋金入りだったが、現在はよりカジュアルなファンを大勢見かける。野球選手はポップスターのようにアイドル化してきた」
セイント・ジョン氏は、LGツインズのような一部球団が意図的にイケメンの野球選手と契約しようとし、彼らをほとんどポップアイドルのような立場に置いていると感じている。
LGツインズの広報担当者はこの指摘に特段の異議を唱えず、「われわれのハンサムな選手たち」が女性ファンの間でチームの人気を高める理由のひとつだと認めた。
昨年、ツインズはハローキティとコラボし、キティのキャラクターをあしらったピンク色のLGのユニホームを球場で女性ファン向けに販売した。
このほか「レディースデー」イベントを開催し、ネイルアートやタロット占い、化粧品の景品などを呼び物にしてきた。
他のプロ野球チームも同様の動きを示している。仁川(インチョン)にあるSKワイバーンズのホーム球場では、ファンが座席で食べ物を注文できるスマホアプリが売り物になっている。
女性を引きつけるため、球場はメニューの数を増やしたり、化粧室を増設したり、子どもの遊び場を設置したりした。
ワイバーンズの幹部、キム・スンヨン氏によると、球団は常に遊園地や映画館をしのぐ新たなイノベーションを追い求めようとしている。
球団関係者は毎年、新たなアイデアを求めて米国や日本の球場や欧州のサッカースタジアムを訪れているという。
URLリンク(jp.wsj.com)