15/09/06 13:44:00.72 *.net
シンガポールですら4点を奪ったカンボジア相手に3得点―。
勝点3という最低限の結果は得たものの、内容に目を向ければ日本代表のパフォーマンスは褒められたものではなかった。
なぜ、攻撃が思うように機能しなかったのか。ここでは、エリア別にカンボジア戦でのプレーを振り返り、課題を検証していく。
【右サイド|右SBの酒井宏は、エリア内にも侵入すべきだった】
前半の日本の攻撃は、明らかに右サイドの比重が高かった。
ボランチの長谷部や山口を経由して本田にボールが入るとタメができ、その間に右SBの酒井宏が外側を回る。
多くの時間帯で見られたこうした動きで、カンボジアに脅威を与えていたのは間違いないだろう。
実際にチャンスの数は多かった。開始間もない12分に酒井宏がフリーでクロスを上げ、
22分には裏のスペースを突いた本田も長谷部へのグラウンダーのパスで決定機を演出している。
カンボジアのマークが緩慢だったため、少なく見積もっても5回は右サイドを崩してチャンスにつなげていた。
とはいえ、いずれの場面でもネットは揺れていない。あれだけ放り込めば、どれかは点につながりそうなものだが、
単調なクロスを繰り返すばかりで、中央で待ち構える3バックに撥ね返され続けたのである。
カンボジアは3バックがエリア付近にへばりついてカバーリングの意識が欠如していたため、
サイドでは常に2対2の状況が生まれていた。個人技術の差を考えれば、クロスまで持ち込むのは決して難しくない状況だ。
それでもゴールを演出できなかったのは、相手の虚を突くようなアイデアが不足していたからだろう。
とりわけ、何度も高い位置まで進出していた酒井宏は、もう一歩踏み込んでエリア内に侵入するなど、工夫が必要だった。
【左サイド|香川と宇佐美の連係向上は、数少ない好材料】
単調だった右に比べると、後半の左サイド攻撃には見るべき部分もあった。宇佐美が出場した65分以降に、コンビネーションで崩し切る場面が見られたからだ。
ボランチを経由して左サイドにボールが入ると、良いタイミングでトップ下の香川がフォロー。宇佐美の仕掛けに連動してワンツーの壁役になり、エリア内に侵入する場面を作っている。
宇佐美のフィニッシュが甘く、ゴールには至らなかったが、狙いとする地上戦での崩しが機能した形だった。
こうしたコンビネーションによるチャンスメイクは、日本代表の武器であるのは間違いない。
ボランチの長距離砲が期待できない現状では、なおさら局面を打開できる技術レベルの高い選手の存在は貴重だ。
疲れの見えたカンボジアが相手だったとはいえ、
香川と宇佐美のコンビネーションが噛み合ってきたのは、この試合で見えた数少ない好材料と言えるだろう。
一方で、気になるのが、先発出場した武藤の状態だ。左SBの長友とのコンビネーションプレーは皆無で(長友が冴えなかったこともあるが)、決定機に絡んだのは42分の香川へのパスくらい。
逆サイドからのクロスに合わせるタイミングも悪く、中央へカットインしてミドルを放つくらいしか目立ったプレーがなかった。
シュートの意識が高いのはポジティブに受け止められるが、別の言い方をすればパターンが少ないともとれる。
周囲との連動よりも、個人突破の比重が高い今のプレースタイルを続けるのであれば、CFのほうが可能性は広がるかもしれない。
2015年09月04日
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