15/08/24 18:39:54.30 *.net
北朝鮮の金正恩第１書記のサッカー好きは有名である。
となれば、中国・武漢で８月８日まで開催されたサッカーの東アジア・カップで、北朝鮮の女子代表が３戦全勝で２０１３年の前回大会に続き連覇を果たせば放ってはおけない。
翌日には祝電を送り、１０日には空港で帰国した代表チームの選手を出迎えて抱き締める様子が国営テレビで放映されたという。
ＡＦＰ通信などが報じた。金正恩氏は２０１１年から代表チームの改革を履行。今大会では強固なフィジカルを生かした堅守速攻の戦術を「ゲリラ型」と称して徹底させ、結果を残す布石を敷いた。
自らの政策に異を唱える幹部を次々に粛清する「恐怖政治」を続けていると韓国で批判されているのとは甚だしい温度差をうかがわせる。
２００３年から２年ごとに開催される東アジア・カップ。女子は０５年に創設された。日本、韓国、中国が持ち回りで開催。
今年は中国・武漢で８月１日から８日まで実施され、北朝鮮女子チームは３戦で９得点４失点という高い得点能力を発揮した。３位だった男子も日本を２－１で破り、韓国と０－０で引き分けるなど優勝争いに絡んだ。
この結果には布石があった。中央日報によると、金正恩第１書記はイングランド・プレミア・リーグのマンチェスター・ユナイテッドと、マンＵ所属でイングランド代表ＦＷウェイン・ルーニーのファンというサッカー好き。
それだけに、４４年ぶりに２度目の出場をした２０１０年ワールドカップ（Ｗ杯）南アフリカ大会で３戦３敗。しかも１得点１２失点の内容に危機感を抱き、平壌に国際サッカー学校を設立し選手の発掘と育成に注力した。
中央日報によると、選手の選抜方法も変更されたという。全国から各年代別に４０００人を選出。有望視される３０人に絞り込み、このうち１５人を欧州に派遣するエリート教育を施している。
今回の東アジア杯に出場した２０代前半の選手がそれに当たり、「金正恩キッズ」と呼ばれているという。最近ではスポーツ振興に注力するため、スポーツ専門テレビ局の新設が報じられた。
選手育成だけではない。金氏は今年３月、スポーツ関係者との会合で北朝鮮をスポーツ大国にするために、すべての競技の監督と選手たちに「ゲリラ型戦術」を取り入れることを推奨したと、ＡＦＰ通信が伝えている。
北朝鮮男子代表のキム・チャンボク監督は「攻撃のための守備が核心。強い体力を基礎に前方からプレスをかけ、積極的に逆襲を狙う」（中央日報）と説明した。
自らの提唱した戦術が奏功した格好で女子代表が優勝。朝鮮中央通信は金氏の祝電に関して
「党が与えた不屈の闘志と主体的な戦法で（省略）党や祖国、人民の期待に立派に報いた女子サッカー選手に祝電を送って下さった」と報じた。
そして、空港で出迎えた金氏は女子代表のキム・グァンミン監督を抱擁したそうだ。監督は中国版ツイッターで「私は幸福で息が止まりそうになり」などと綴っていたという。
その一方で、韓国の国家情報院は今年４月、金氏が１２年に最高指導者に就任して以降、８０人以上が処刑されたと指摘。規律や忠誠を保つために日常的に処刑や粛清を用いていると分析した。飴とムチの施策ということなのだろうか。
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