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乙武洋匡×宮本エリアナ「マイノリティを考える」
もっと多様性を認められる社会になれば、マイノリティに限らず誰もがオープンに生きられる。その点で、2人の考えは一致した
乙武洋匡: エリアナさんは、率直に「日本が好きですか?」と聞かれたら、どう答えますか?
宮本エリアナ: もちろん大好きですよ。日本が嫌いっていう選択肢は、私のなかにはありません。
乙武: よかった。というのも、エリアナさんに限らず、「日本の社会では、まだまだ多様性が認められていない」といった発言をすると、それを日本批判みたいに捉える人もいるじゃないですか。
下手をすると「あいつは反日だ」なんて言われたりする。
でも、僕やエリアナさんが「もっと日本の多様性が広がっていくように活動していきたい」と提言するのは、親が子供を叱るのと一緒で、
日本が好きで、その愛する日本をもっと暮らしやすい社会にしたいからこそなんですよね。
宮本: その通りです。そもそも、嫌いだったら日本の国籍を取らないし、日本代表になろうともしないですよ。
乙武: ちなみに、日本のどんなところが好きですか?
宮本: たとえば、日本では体調が悪そうにしていたら、まわりの人が気を遣っていろいろ世話を焼いてくれるじゃないですか。
これがアメリカだと、「私、あのとき具合が悪かったんだよね」ってあとから言っても、「あなたそんなこと言わなかったでしょ?」と自己責任になるんです。
乙武: なるほど。日本特有の“察する”文化ですよね。
宮本: はい。でも、そういうところはいいなと思う一方で、人種やLGBT(性的少数者)みたいな話になると、やっぱり日本は遅れていると感じてしまう。
アメリカでは人それぞれ違いがあって当たり前だから、私がハーフであることを誰もいちいち気にしないし、英語がうまく喋れないことについても「日本で育ったんだから当然でしょ」と受け入れてくれます。そういう点では向こうの方が楽。
日本のいいところとアメリカのいいところを、足して2で割れればちょうどいいのに、とよく思います。
乙武: そういう考えが持てるのは、エリアナさんが両方の環境を知っているからこそですよね。海外経験の豊富な人なら、
文化や価値観の多様性というものが肌感覚で理解できる。でも、海外との接点が少ないと、そうした感覚はなかなか育たない。
宮本: その通りだと思います。だから、マイノリティという存在をもっと知ってもらいたいと思って、私はミス・ユニバースの出場を決めたんです。
乙武: その点、私もエリアナさんも、ある意味とてもわかりやすいマイノリティじゃないですか。手足がなかったり、肌の色が違ったり。
宮本: そうですね。一目見てわかるマイノリティです(笑)。
乙武: ここまでわかりやすいマイノリティではなくても、この国で生きづらさを感じている人は多いと思うんです。
一見マジョリティに見える人のなかにも、実は周囲との違いに悩み、それを押し隠して生きていたりするケースだってあるでしょう。
でも、いろんな個性が認められ、受け入れられる社会になると、誰もが自分のことをオープンにして生きやすい社会になるはず。
人知れず苦しみ、自分を隠しながら生きている人たちのためにも、まずは私たちのようなわかりやすいマイノリティが声をあげていくことが重要なのかなと思っています。
本日はゆっくりお話できてよかったです。今後ますますのご活躍をお祈りしています。
【今回の対談相手】
宮本エリアナ
1994年、長崎県出身。日本人の母親と、アフリカ系アメリカ人の父親の間に生まれる。中学卒業後に渡米し、2年間現地の高校に通う。帰国後にモデルとして活動をスタート。
2014年11月、ミス・ユニバース・ジャパン長崎大会でグランプリを獲得。翌2015年3月の日本大会でグランプリを獲得し、日本代表に選出された。
URLリンク(r25.yahoo.co.jp)
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