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推定年俸6億円の1年半契約。AFCチャンピオンズリーグベスト16。J2降格。J1通算26試合7得点、J2通算18試合10得点。
この数字と結果だけを見れば、非難する人が多いのは致し方のないところだろう。
だが、決してそれだけでは測れないものがあったようにも感じている。
2010年南アフリカ・ワールドカップ得点王&MVPという華々しい実績を引っさげてセレッソ大阪の一員となったディエゴ・フォルラン。
日本サッカー史上に残る大型補強は、果たして本当に失敗だったのだろうか。
今から約1年半前、南アフリカで大活躍した彼のC大阪加入が決まると、来日記者会見がテレビで生放送されるなど大フィーバーが巻き起こった。
チームは柿谷曜一朗(現バーゼル/スイス)や南野拓実(現ザルツブルク/オーストリア)、山口蛍、扇原貴宏ら若くて優れた選手を数多く擁していたこともあって、
「セレ女」と称される女性サポーターが急増。
さらに優勝候補の一角に挙げられたクラブが推定年俸6億円という超大物選手を獲得したことで大きな話題となった。
加入会見に臨んだフォルランが流暢な日本語で長々とあいさつしたことを記憶の方も多いことだろう。
獲得の成否を見る第一のポイントは、やはりビッグマネーに沿うだけの活躍ができたかどうか。
まずはピッチ内での活躍=プロサッカー選手としてのプレーについて考えていきたい。
昨年2月下旬、韓国・浦項で彼のC大阪デビュー戦を取材したが、途中出場ながらコンディションの悪さは拭い切れず、ボールタッチの回数も数えるほど。
正直、日本で大活躍するのは厳しいと感じた。だが、試合をこなすごとに調子を上げると、そこはさすが世界的なストライカー。ゴール前での冷静さと高いシュート精度で得点を重ねていった。
C大阪でプレーした約1年半、フォルランが最も輝いたのが、このフィニッシュの部分だった。
キャプテンの山口が「シュートに対する意識や技術はワールドクラスのものを持っていた」と称賛するように、フィニッシュに至るまでのアイデアと視野の広さ、
ボールコントロールはJリーグ史上で見てもトップクラス。
中でも昨シーズンの敵地でのACLグループステージ第6節で山東盧能(中国)から決めたゴールに彼のワールドクラスであるゆえん、そしてプレーヤーとしての真骨頂を見たように思う。
79分、中央からペナルティエリア付近へ走り込んだフォルランは、スピードに乗った状態で左クロスを右足インサイドで的確にコントロール。
そのままシュートを狙うべく吸い付くようなトラップで右前方にボールを置くと、GKの位置を確認して冷静に右足を振り抜いた。
一見すると決して派手なゴールではないが、疲れが出始める試合終盤に見せた正確な技術は山口が話したとおり「ワールドクラス」の一発。
フォルラン自身も「思い出に残っているゴール」と振り返る一撃でC大阪はACLグループステージを突破し、ラウンド16へと駒を進めることに成功した。
この他にも同年第7節ガンバ大阪戦で決めた直接FK、第9節ヴィッセル神戸戦で右サイドに流れながら右足を振り抜き、GKの手前でボールをワンバウンドさせて触らせずに逆のサイドネットへ突き刺したゴール、
第20節川崎フロンターレ戦で後方からのフィードをダイレクトで叩き込んだ右足ボレーなど、日本で見せた得点シーンには彼の高い技術が凝縮されている。
確かにマンチェスター・U(イングランド)などでプレーしていた2000年代前半ほどの迫力は見られなかったが、それでもシュートセンスは日本人選手が持ち合わせていないもので、
フィニッシュの技術は他の追随を許さないものがあった。「そこから打つのか」、「その角度から決めるのか」と思わされたことは一度や二度ではない。
ただし、実際のところは本人も「つらい時期があった」と振り返ったように、前線から激しくプレスを仕掛けるプレースタイルを持たなかったことがチーム戦術に適合しないと判断され、
J1残留を争っていた10月以降に出場機会を失ってしまう。
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
SOCCER KING 6月26日(金)16時8分配信
URLリンク(headlines.yahoo.co.jp)
C大阪退団セレモニーでファンに別れを告げるフォルラン [写真]=白井誠二