15/06/18 07:17:23.55 *.net
大リーグ、ツインズのトリー・ハンターが10日のロイヤルズ戦で投球の判定に猛抗議して退場を宣告され、
猛り狂って身に着けていたプロテクター、手袋、ついにはユニホームまでグラウンドに投げ込んだそうだ。
レッドソックスのデビッド・オルティーズも以前、同様に主審に猛抗議して退場処分を受けた際、腕に巻いていたプロテクターをグラウンドに投げ入れた。
ここまではトリー・ハンターと同じ。オルティーズの場合それでも怒りは収まらず、ベンチの電話をバットで叩き壊した。けが人が出なくてよかった。
「冗談じゃねえ、やってられるか!」という怒りが噴き出してモノに当たるのは周囲が迷惑する。
頭にくる、悔しい、ううう……、ぐっと耐え、せいぜい自分の二の腕にかぶりついてググググと歯を立てて我慢する。
それでも耐えられずに「ええい、やってられっか!」と感情が沸騰して、自分が身に着けているモノを放り投げたのだから、
それで誰かに危害を加えたわけではないのだし、怒りの持って行きどころによってはパフォーマンスとなる。
広島の監督だったマーティ・ブラウンがよくベースを外してぶん投げて退場になったが、ベースを壊したわけではない。
チームを鼓舞する狙いのパフォーマンスでファンも面白がった。
監督の退場が選手のやる気に火をつけて試合に勝ったことさえある。やるときは大げさに、しかし物を壊さない程度に。
日ハムの斎藤佑樹がノックアウトを食らった歯がゆさで「壁ドン」ならぬベンチの壁を拳固で叩いて悔しがったが、痛いのは嫌だったようで
「いやん、もう」程度にコツンだった。ハンカチ王子の名残か、怒りの表出としては内向きだ。「いやん、もう」じゃ周りもフフンと笑うのみ。
自分への怒りが爆発したダイエー時代の杉内。打たれて交代させられて怒り収まらずに硬いベンチをボコボコに殴りつけ、両手の小指付け根骨折、全治3カ月。
球団から罰金600万円、謹慎10日の処分を食らった。自暴自棄の揚げ句、投手にとって生命線の指を骨折じゃ同情されぬ。
節度、我慢、寛容がスポーツ選手の品格を決める。昔、あと一人で勝利という九回2アウトで巨人の長嶋茂雄にヒットを打たれて、
悔しくて吠え、マウンドの土を蹴り飛ばした星野仙一に、一塁ベース上の長嶋が大声で、「仙! 辛抱せい! 辛抱だ!」と諭した。
怒りを理解してやり、自制を促す、さすがではないか。
その長嶋茂雄は監督時代、鼓舞すれど響かぬチームのふがいなさに、思いっきりベンチを蹴り上げた直後、衝撃でズレたベンチをサッと元に戻した。
「直すなら蹴るなよ」と笑うのは凡人の感覚。奔放と几帳面が同居するのは矛盾ではない。
野球は爽快だが節度ある見せ物なのだ。
URLリンク(www.nikkan-gendai.com)
2015年6月18日