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「あんな選考してたら、高齢者が見なくなっちゃうよ」
こんな嘆き声が芸能プロダクションから聞かれるようになったのが、近年のＮＨＫ紅白歌合戦だ。
演歌歌謡曲の出場歌手がグッと減り、ジャニーズを中心とした若手歌手、若手グループが出場者数を増やしている。
どんな批判を浴びようと、紅白歌合戦が視聴率４０％を超えるお化け番組であることは間違いない。
演歌歌謡曲の歌手にとってはいまだ紅白出場が大目標なのに、近年ではより狭き門になっている。
それほどまでに若手の歌手、Ｊ-ＰＯＰに特化しつつあるが、実はこれはＮＨＫにとっても一つの戦略だという。
ある芸能プロ関係者は「大みそかの夜に、若い人が家でテレビを見ているなんてことはない。
高齢者がメーンで見ているのだから、今のように演歌歌謡曲が少なくなれば、視聴率もそうそう上がらないだろう--こんな話はよく耳にします。
確かに一理あるんですが、実はＮＨＫにとっては視聴率も大事だけど、それ以上に大事なものがある。受信料です」。
ＮＨＫは放送法にのっとり受信料で番組を作っている。
「観覧応募もそうですが、デジタル審査員とか、ケータイ審査員とか、お茶の間でリモコン投票するとか、紅白も参加型になっているでしょ。
あれは受信料を払っている人だけが申し込めるんですよ。
でも、リモコンを操作して見ている高齢者はそうはいない。むしろそうやってでも、参加したいと思うのは若い人でしょ。
ＮＨＫは受信料を払ってない世帯の中で、若い人の割合は多いと見ている。若い世代で演歌を聞くなんて人はそういない。
だから、若い人向けの番組づくりをするんだよね」と同関係者は指摘する。
確かに、嵐が司会に抜てきされた５年前、観覧希望者が急増したという話もあった。
「知り合いのジャニーズファンは嵐が出ることになって、生で見たいからと、受信料を払い始めるようになったという。
そう考えれば、演歌歌謡曲の歌手よりもジャニーズ、ＡＫＢという歌手の層を厚くするのは当然だよね。
実際、ここ数年は紅白の時期になると受信料を払う人が増えるなんて話も聞く」（同関係者）
昨年の紅白は視聴率４２・２％で一昨年の紅白を２ポイント以上も下回った。
それなのに、あるレコード会社関係者が「年明けすぐに、紅白スタッフが万歳三唱していたって話を聞いたんです。
彼らにとっては４０％を上回ればよかったんですかね」と首をひねる。
ＮＨＫ紅白スタッフの目標数値は視聴率だけではなかったのかもしれない。そう考えれば、その光景にも納得ができる。
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2015年5月23日 16時0分