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広島の練習で、ひときわ目立つグラブを使っている選手がいる。野村祐輔投手だ。青を基調としたものに、
テレビアニメ「マジンガーZ」のロボットの顔がデザインされている。
デザインや色に制限がある試合用とは違い、練習用グラブはどんなものを使ってもいい。デニム生地を
ベースにしたり刺しゅうで飾ったり。選手の個性が分かると言ってもいい。
野村は昨年オフ、契約するゼット社のグラブ工場(大阪)を訪れた。そのことが「マジンガーZ」グラブを作る
きっかけとなった。
「古いグラブがいろいろとあって、その中にキャッチャーミットがあった。そこに昔のゼット(Z)のロゴが
あったんです。それを見たときに、マジンガーZの顔が思い浮かんだ。相談して作ってもらいました」
こだわりは、その作りにある。野村のラッキーカラーは青。青をベースに、その上に描くのではなく、
革を重ね合わせて顔を作り上げた。さらに出身地・岡山がデニム生地の名産地としても有名なことから、
それも使用した。チーム内での評判はかなりよく、野村にとってもお気に入りのアイテムだ。
このグラブに刺激されたのが新外国人のジョンソン。春季キャンプでそれを目にし「何だこれ、と思ったよ」。
アメリカでは一般的に契約メーカーから支給されたグラブをそのまま使うという。そのため、日本のように、
遊び心があるグラブを作ることはない。早速、赤いメッシュを基調に自身の名前「J」の文字を入れたものを
注文した。
エース前田は、数年前からさまざまなデザインのものを使っている。四つ葉のクローバーや出身地の
大阪・忠岡町のゆるキャラ「ただお課長」…。今季はNBA史上最も低身長で得点王に輝いたアレン・
アイバーソンの「大切なのは身体の大きさではなく、ハートの大きさだ。」という言葉を縫い付けた。
選手の個性を感じられるグラブ。球場を訪れた際に練習を見る機会があれば、注目してみるのも一つの
楽しみになりそうだ。
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