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韓国の新年のスポーツ紙を日本人が飾っていた。米メジャーリーグのヤンキースから古巣の広島カープに復帰する黒田投手と、
中日ドラゴンズの超ベテラン、山本昌投手だ。韓国では近年、日本と逆にサッカーより野球が人気で、とくに若い世代や女性は
「野球の方がカッコいい」といっている。野球人気を背景に日本人の2人が注目されているのだ。
黒田は「必ず戻ってくる」という日本のファンへの約束を守った「義理堅い男」として称賛され、山本昌は「50歳で現役、年齢をアウトにした驚異の男」というわけだ。
韓国も高齢化時代を迎え、とくに山本昌のようなシニア世代の頑張りには関心が高い。
一般紙の中央日報(6日付)でも力投する山本昌のアップ写真がスポーツ面のトップにドーンと掲載されていた。
韓国人にとっては身近で何か参考になるというのは今もやはり「日本」なのだ。
これが反日一辺倒と思われている韓国での一方の日常風景である。なのになぜ日本で反韓・嫌韓感情が高潮しているのか、
今年は韓国としても“反日国家”のイメージ払拭のために努力してもらいたい。
とくに世論を扇動するメディアの突出した反日報道は何とかしてほしい。あれでは国際社会で“反日民族”とみられている韓国国民が気の毒である。
ところで先ごろ日本の総理府による恒例の「外交に関する世論調査」が発表された。
それによると韓国に対し「親しみを感じない」が前年比8.4ポイント増の66・4%で、過去最悪になったと話題だ。韓国でもそう伝えられ、日韓双方でこの数字だけが注目された。
これに対し「親しみを感じる」は31.5%で一時の半分だ。確かに“韓流ブーム”のころに比べると「親しみ」は急落である。
しかし筆者は逆に「それでも30%もあるのか…」と逆に驚いた。韓国の執拗(しつよう)な反日に刺激された反韓・嫌韓感情の拡散と韓国たたきの流行の中で、堂々と
「それでも親しみを感じる」という日本人が3人に1人はいるというのだから。
日本社会は健全だと思う。これに比べると韓国社会はあんなに日本のことが気になって仕方ないほど日本に関心が強く、
日本への強い親近感(いや接近感か?)があるにもかかわらず、世論調査となるとみんな「親しみを感じる」とは決していわない、
いや、いえない。この実態を離れた不健全さ(!)にはメディアの責任が大きい。
今年は日韓国交正常化50周年である。朴槿恵(パククネ)大統領も早くから意味ある年にしたいと語っている。
そのためにはこの50年間の日本との協力関係が韓国の発展にプラスしたということをまず正直に認めることだ。
その意味では韓国メディアがいかに事実に即した客観的な歴史回顧で国民に「日韓協力の真実」を伝えるかがカギになる。
筆者はこの50年のうち40年以上、韓国と付き合い、30年以上、韓国に住んできて韓国の発展に対する日本の寄与を実感している。
この正直な歴史評価から新しい関係はスタートする。 (ソウル駐在客員論説委員)
2015.1.11 10:01
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