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今季のレギュラーシーズン。人気のバロメーターである観客動員数は昨季から0.4%減少し、7373万9622人だった。
結果的には2年連続での減少だが、歴代7位となるファンを動員。この5年間では7300万人から7500万人の間で推移し、
安定的な動員数を示しているとも言える。
両リーグ最多は2年連続ロサンゼルス・ドジャースで、378万2337人を集めた。また、ニューヨーク・ヤンキースは
340万1624人でアメリカン・リーグ1位の座を12年連続でキープ。最後までシーズンを盛り上げたシアトル・マリナーズが
最大の伸び率17%を達成し、約206万人のファンを集めた。
たくさんのファンを集める球団がある一方で、思い描くように座席を埋められない球団もあった。
中でも、フィラデルフィア・フィリーズやテキサス・レンジャースは減少傾向が顕著だった。近年、常勝軍団だった両軍は
今季地区最下位に沈み、100万人以上もファンを減らした。
また、クリーブランド・インディアンズは昨季ポストシーズンに進出し、今季も善戦したが、144万人で最下位。
プログレッシブフィールド(当時のジェイコブスフィールド)が開場し、1995年6月12日から2001年4月4日まで
455試合ソールドアウトが続いた日々が懐かくさえ感じる。
メジャーリーグは2007年に7950万人の史上最多の動員数をマーク。気を良くしたバド・セリグ・コミッショナーは
「8000万人動員」の目標を掲げた。しかし、翌08年はおよそ100万人を減らし、それ以降7500万人を一度も
越えることができず、今日に至っている。
しかし、この間何もしなかったわけではない。さらにポストシーズンを盛り上げるために、従来のワイルドカードにメスを入れた。
以前は東、中、西地区の優勝チームと、2位以下の最高勝率の4チームで各リーグがワールドチャンピオンを争うシステムだった。
これを2012年から、2位以下の最高勝率2チームで「ワイルドカードゲーム」を行い、その勝者がディビジョンシリーズに
出場するというシステムに改めた。
これにより、ポストシーズンに進出できるチャンスが他のプロスポーツに比べて少ないという批判に応え、また、確実に
ポストシーズンに出場するためには、これまで以上に地区優勝を目指さなければならないというモチベーションを生んだ。
メジャーは半年間かけて162試合を行う長丁場。伝統的に夏休みと重なるサマーシーズンに多くの観客が訪れる
エンターテインメントだ。だからこそ、それ以外の時期に足を運んでもらうためのピークをいかに作るかが問われていた。
ポストシーズンに対する新システムを導入したことで、今年のシーズン最終週末(9月26日から28日)にメジャー全体で
165万人の観客がポストシーズンに出場するチームの行方を見守った。これは2008年以来となる最大の集客数だった。
新たな取り組みは一定の成果を出したが、ファンの興味を喚起し、いかにして財布のひもを緩めるかは永遠の課題だ。
いまや、国技と言われる野球にも多くのライバル・スポーツが存在し、ITの発達もあって、ファンをいかにボールパークまで
運ぶかは大きな課題だ。入場料を始めとする支出に見合うだけの感動や満足感がなければ座席に座ってもらうことは難しい。
経営の根幹をなす入場料収入を増やす取り組みに終わりはない。
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