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村井チェアマンは就任会見から「３つのフェアプレー」宣言を出した。「ピッチ上のフェアプレー」のみならず、「ファイナンシャル・フェアプレー」、そして「ソーシャル・フェアプレー」を挙げ、その三つの有言実行を目指した。
タイトルスポンサーとして結実したのは、Ｊリーグそしてチームの洗練度が、「お堅い」はずの明治安田生命にも大きくアピールされた結果ではないか。
これを機に不祥事の多い各クラブのサポーターも（もちろん、ごく一部と思われるが）、ぜひ脱皮しリーグの価値を押し上げてもらいたいものだ。
健全なＪリーグとて、いくつか気になる点はある。
ひとつは、アジアにおけるＪリーグクラブの存在感だ。2014年アジア・チャンピオンズ・リーグ（ACL）では川崎フロンターレ、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島が決勝トーナメントに進んだが、そろって１回戦で敗退。
チェアマンもACLでのタイトルを来年のテーマに掲げているが、現実的なサポートプランとなると難易度が高そうだ。
ガンバを１部昇格から三冠へと導いた長谷川健太監督の手腕にも期待したい。
2015年12月には日本でクラブワールドカップ(CWC)が開催されるという噂もあるが、ACLのタイトルを逃しＪチーム不出場の大会となると、日本のサッカー熱も冷めかねない。
最後にACLを制したのは2008年のガンバ大阪。再びガンバに期待がかかる。
もうひとつは、Ｊリーグのデジタル化には大きな課題が残っている。肝いりでスタートした「ワンタッチパス」はいまだ普及せず、CSRは道半ば。
デジタルトラッキングシステムの導入を標ぼうしてはいるものの、今年開発をスタートさせたシステムを来季導入の上、実際に使用するのは至難の業。ＩＴ関連の具現化には、「サッカー村」の古いブレインを頼りにしているだけでは、これまでと同様、遅々として進まない。
こうした革新的な発想が必要な分野こそ、新しい血を導入してはいかがだろうか。
またＪ３まで含め51クラブ（2014年シーズン）まで膨れ上がった所帯を一元管理する体制の構築も必要だろう。その意味ではＪ１からＪ３まで、明治安田生命が串刺しにスポンサーとなる点は、統率して行く上で利便性も生まれる。
もっとも、プロ野球界では問題が紛糾しては「１リーグ１０チーム制」などと血迷った方向性を唱えている間に、ＪリーグはＪ３まで51チームへとすそ野を広げて来た実績がある。
プロ野球が、今年になって「ＮＰＢアウォーズ」を設け、「ＮＢＰエンタープライズ」を発足させるなど、まるでどこかのスポーツの猿真似を始めたかのようだ。
プロ野球に日本スポーツ界のけん引役を期待できない以上、Ｊリーグには、今後とも日本のプロスポーツを牽引する革新さに期待して行きたい。
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