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羽生の悲劇で連盟動く 医療態勢改善へ…遠征にドクター帯同検討
フィギュアスケート男子のソチ五輪金メダリストで8日のGPシリーズ第3戦・中国杯で頭部、顎などを
負傷した羽生結弦(ゆづる、19=ANA)が9日、上海から成田空港着の航空機で帰国した。
フリー直前の6分間練習で閻涵(エンカン、18=中国)と正面衝突して流血したが、強行出場して2位。
この日のエキシビションを欠場した羽生は、都内の病院で精密検査を受けた。検査結果は10日にも発表される。
また、日本チームは中国杯にドクターを帯同していなかったため、日本連盟が医療態勢の改善について検討することが判明した。
華々しい凱旋ではない。午後5時15分、車いすに乗った痛々しい姿で、羽生が成田空港の到着ロビーに現れた。
約160人集まったファンの中から悲鳴にも近い「頑張って~」という声が上がる。上下黒のジャージーに身を包み、
マスクを装着した19歳の表情はうかがえないが、感謝を示すように何度も何度も頭を下げた。
警備員10人が配備されて規制線が張られる厳戒ムードの中、空港を後にして都内の病院で精密検査を受けた。
悲劇は前日(8日)の男子フリー直前の6分間練習で起きた。羽生と閻涵が正面衝突。氷に顔面を激しく
打ち付けた羽生は、頭と顎から流血してしばらく動けなかった。棄権しても誰も責めない状況だったが、
「演技したい」と直訴して止血後に強行出場。ボーカル入りの「オペラ座の怪人」に乗って、
ジャンプで5度も転倒しながら2位に入った。スコアを確認すると、人目もはばからずに号泣した。
演技後、顎を7針縫い、側頭部は医療用ホチキスで傷口を3カ所留めるなどしたが、処置したのは米国チームの
ドクターだった。これまで日本チームは世界選手権や世界ジュニア選手権など、派遣選手人数が多い大会には
日本連盟の医事委員会に登録しているドクターを帯同していたが、出場3人の中国杯は帯同を見送った。
上海に滞在中の伊東フィギュア委員長は「全てのチームがドクターを連れてきているわけではない。
他国のドクターに協力してもらうケースもある」と説明した。
だが、羽生のあまりにも衝撃的な事故を受け、日本連盟は今後の医療態勢の改善を検討することが判明。
伊東フィギュア委員長は「帰国後に医事委員会に報告し、話し合うことになる」と明かした。
予算の関係もあって全世代の全大会にドクターを帯同することは難しい情勢だが、日本連盟の強化選手の中で
最高ランクの羽生ら、特別強化選手の海外遠征の際にドクターを帯同するプランが有力だ。
羽生は宿泊先の上海のホテルを出る際も車いすで現れ、足元がふらつき、車に乗り込む際には介添えが
必要だった。「お大事に」とファンから言葉をかけられると、会釈して車内から手を振って見送りに応じた。
日本連盟関係者に「朝早くからすみません。ありがとうございます」と感謝していたという。
左脚に軽い肉離れも起こしている不屈のプリンスは28日開幕のNHK杯(大阪・なみはやドーム)出場に
意欲を見せていたというが、全ては10日にも発表される精密検査の結果次第。
今は願うしかない。魂の4分30秒が、未来ある19歳の選手生命に影響しないことを―。
スポニチ URLリンク(www.sponichi.co.jp)
車いすに乗りマスク姿で空港ロビーに現れた羽生 Photo By スポニチ
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