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もし20年前からタイプスリップしてきた熱心なプロ野球ファンがいたとしたら、目を疑ったに違いない。
クライマックスシリーズなる奇怪な制度もだが、その視聴率の数字に。巨人と阪神という、最も人気のある2チームが
日本シリーズ出場権を賭けて争った初戦の視聴率が、8.4%----。
ゴールデンタイムの番組としては、即刻、打ち切りが検討される数字だ。
いま阪神×ソフトバンクの日本シリーズたけなわだが、すぐに事態の好転は望めないだろう。
ネットの一部では今も<プロ野球人気落ちた派>vs<プロ野球人気落ちてない派>の激しい論争が、
終戦直後のブラジル日系人社会の<勝ち組>vs<負け組>のように続いている。ただし誰もが等しく認めているのが、
テレビコンテンツとしてのプロ野球の終焉だ。事実1983年の平均視聴率27.1%をピークに、巨人戦中継(注1)の
視聴率は年々下降の一途を辿り、近年は10%に届かない。
かつて年間130試合を放送した中継数自体も激減し、2014年では日本テレビでさえ、ナイター全国中継はわずか6試合。
スペシャル感のあった開幕戦、オールスター戦、優勝決定試合、クライマックスシリーズ、日本シリーズのすべてが数字を落としている。
一部に「人気を落としたのは巨人戦中継だけ。地元球団の中継は人気がある」との声もあったが、セ・パ問わず
巨人戦以外の全国中継(注2)は滅多に無く、さらに悲惨な数字しか出ない。
ゆえに最近の<プロ野球人気落ちてない派>の反論は、「熱心なファンはBS・CS放送で見ている」
「視聴率は落ちても観客動員数は上がっている」(注3)という方向にシフトしている。
ここで、またまた思い出すのがプロレスだ。力道山に始まり、馬場・猪木が並び立っていた日本プロレス時代の
異常人気を除けば、もっともプロレス人気が高かったのは1980年代前半と、ドーム球場興行を連発した1990年代後半の
新日本プロレスだろう。が、この二つの年代には明確な違いがある。1980年代前半はゴールデンタイムのテレビ中継こそ
高視聴率(注4)だったが、観客動員的には蔵前国技館や大阪府立体育会館など、せいぜい一万人級の会場を埋める程度だった。
一方1990年代後半は、テレビ中継こそ視聴率低迷で深夜枠に移ったものの、観客動員は絶好調。
東京、大阪、名古屋、福岡と各地のドームを満杯にして、収益では1980年代前半を上回った。
いまのプロ野球は、1990年代後半の新日本プロレスなのだ。
プロ野球人気を取り戻すには猪木理論に学べ!
「テレビで見られるからいいや」と、全ての興行においてテレビ中継は観客動員にマイナスに働くことがある。
タダだから見る、という薄い関心のファン層は特にそう。しかし情報を遠く広く投げることができ、新しいライトファン層を
引き寄せる入口になる。故にある程度の人気を持っていた興行がテレビ中継を止める、もしくは縮小すると、
観客動員数は逆に増えることがある。1990年代後半の新日本プロレスは大衆娯楽からマニア娯楽に変化することで、
何度も会場に足を運び、グッズを買うコア層が増えて収益も上昇していった。裾野は狭くなったが、一人一人の
客単価を上げる方向だ。<プロ野球人気落ちてない派>の主張通り、視聴率が落ちても観客動員数が上がる現象は、
確かに起こったのだ。
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