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プロ野球のペナントレースも終了間近。わが阪神はさすがに優勝は苦しいながらクライマックスシリーズ（ＣＳ）出場はほぼ確実という状態で、
昔でいうＡクラスと最低限の仕事は達成しそうなのですが、ファンは意外と冷ややか。
「お客さまの数が減っていることをオーナーは大変気にされています」とは電鉄本社サイドの１人。甲子園の「空席」は取材陣の間でも話題になっています。
■昨年比２・３％減
８月２２日にセ・パ両リーグが発表した第３クール終了時（８月２１日まで）の各球団の入場者数は、セが昨年比３・７％増の２万３２６９人。
２３年ぶりの優勝を目指す広島が「カープ女子」の話題とからめて２３・２％増の２万５５３０人で全体の数字を押し上げました。
阪神はというと２・３％減（３万７５２４人）。絶対数はもちろん、下げ率でも２００９年以来、入場者数が下げ止まらない中日（２・６％減、２万７３８１人）
よりはマシといえますが、夏休み最後の３連戦（８月２９～３１日）では最下位ヤクルト相手ということもあってか完売は３０日だけ。「寂しすぎます」と営業関係者もガックリでした。
不運もあります。限定ジャージーをプレゼントするというイベント日のゲームが２試合中止。いずれも完売していて、振り替え日の観客数は平均約１万人減とされていますが、
「それ以上の影響はあったかも」と営業関係者に思わず泣きが入ったほどです。
５月２６日のロッテ戦も雨天中止で、交流戦ゆえ振り替え日は翌日。チケットの販売期間もないことから、２７日は藤浪が投げたにもかかわらず、
２万６４４１人と寂しいスタンドとなってしまいました。
■ドル箱にも「陰」
シーズン終盤に入っても傾向は変わらず、完売してもいいはずの甲子園最後の巨人３連戦（９月９～１１日）も４万人超えながら、全試合で当日券を発売する事態に。
営業関係者は「推測できることはいくつもありますが、それらが本当に理由だったのかどうか、はっきりした分析結果が出ないことには。
推測を言って書かれたら違っていてもホントの理由にとらえられてしまいますから」とピリピリモードです。
戦力面では上本や梅野、岩崎、岩貞という若手も出てきたし、営業側もカープ女子に対抗して「ＴＯＲＡＣＯ（トラコ）」をアピール。
期間限定グリーンユニホームもいろんな意味で話題になったし、恒例の大納涼祭もにぎわってました。
それでもファンには上位争いをしている以上に、９月に入ってからの失速の印象の方が強いのでしょうか。
阪神の営業関係には上層部からデータ分析などしかるべき対処を求められているそうです。前述通り、はっきりした分析結果はこれからですが、
ある傾向は示されているようです。「例えばですが、今まで甲子園に１０回足を運んでくれた方が半分の５回に、という傾向がみられるのです」と別の営業担当者。
「そういうコアなファンのつなぎ留めとともに新規ファンを作ることも大切。もう一つライトファンをいかに球場に呼ぶか。
関心はあるが１度も生で見たことのない人を球場に連れてくるのは意外と難しいんです」。
■「標的」は広島
営業関係者の間では広島の話題がよく出るといいます。注目しているのが「ほしいと思わせるグッズが多いこと」。キーホルダー、Ｔシャツ、タオルとアイテムは同じながら、
グッズの製作・販売に対する選手の協力が、他球団以上に積極的だそうです。また藤浪や梅野、岩崎ら若トラがどちらかといえば通好みなのに対し、
広島の丸や堂林、菊池は“にわか女性ファン”を引きつけるものがあって新規ファンに対して敷居が低い感じです。
そして何よりも「インパクト」。広島はＢクラスの常連から２３年ぶりのリーグ優勝目指してガムシャラに戦っており、その期待感は相当なものです。
阪神は、といえば近年はＡクラスの常連となりながら、大事なところで息切れするイメージ。ファンはそこに、ある種のマンネリを感じているのかも知れません。
ならば答えは簡単。阪神も衝撃的な勝ち方をみせましょう。奇跡の大逆転Ｖは、まあ無理でも、ＣＳのおかげでチャンスはあります。
２０１０年ロッテに続く「究極の下克上」をやらかして、来季につなげてみましょうよ。（嶋田知加子）
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