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朝日新聞出版に不正競争防止法違反の疑い
2014.09.17 18:00
朝日新聞の100%子会社、朝日新聞出版に重大な不祥事が発覚した。
朝日新聞出版が現在売出し中のDVDコレクション「大江戸捜査網」。
この企画を担ったのはパートワーク(分冊百科)を手掛ける同業他社、デアゴスティーニ・ジャパン
(以下、デアゴ社)から昨春、朝日新聞出版に移籍してきた男性社員だった。朝日新聞出版が、
この社員を通じて、こうしたパートワークビジネスの根幹となる極秘資料をデアゴ社から
持ち出させていた疑いがあることが分かった。朝日新聞出版関係者が明かす。
「社内では、デアゴ社が数百万円をかけて調査したマーケティング資料が平気で流用されていました。
ただ、それ以上に問題なのが、『逓減表』と『売上表』というデアゴ社の機密資料まで、
社内の会議で流用していたことです」
出版ジャーナリストが解説する。
「逓減表とは第一巻以降の売れ行きの推移を集計したもの。売上表とはタイトルごとにどれだけの
売り上げがあり、利益がいくら上がったかを示すものです。この二つは、パートワークビジネスで
利益を確保するための根幹となるもので、その価値は計り知れません」
法律的な問題点について、たつき総合法律事務所の秋山直人弁護士が解説する。
「このケースは不正競争防止法の中でも、二条六項にいう『営業秘密』の不正取得に当たる可能性が
あります。不正競争防止法違反は民事訴訟の可能性があるだけでなく、被害企業が刑事告訴をすれば
刑事罰の対象にもなりうる」
デアゴ社の大谷秀之社長はこの「不正競争防止法違反」疑惑について、週刊文春の取材に
「これはコンプラインアス違反だし、ビジネス倫理の問題もある。朝日に対してどう対応すべきか、
これから顧問弁護士と相談して考えなければいけない。まずは抗議をし、(刑事告訴も含めた)
あらゆるオプションを検討します」。
この件は昨年、朝日新聞本社のコンプライアンス委員会にも通報されたが、黙殺された。
同委員会の委員長は、木村伊量・朝日新聞社長が務めている。
デアゴ社、および木村社長の今後の対応が注目される。
週刊文春 URLリンク(shukan.bunshun.jp)