14/09/10 21:09:54.41 0
ワールドカップ(W杯)で4連覇!!
サッカーなら世界中が大騒ぎだろう。バレーボールでもラグビーでも、2連覇すれば大きなニュースになるに違いない。
しかし……。
女子野球日本代表が『ENEOS Presents 第6回IBAF女子野球ワールドカップ2014宮崎大会』で
4連覇を達成した。
2004年に第1回大会(カナダ)が行なわれたばかりで歴史は浅いが、2年に一度、開催されるから、
日本は2008年の第3回大会(愛媛)から女王の座を明け渡していないことになる。
今回は日本開催ということで、CSテレ朝チャンネル(9月1~5日)とBS朝日(9月6~7日)が日本の
全試合を生中継。宮崎放送は開局60年記念イベントの一環として、決勝は生中継、それまでの日本戦は深夜枠で録画中継した。
「私が国内開催を決断した理由のひとつは、女子野球の認知度アップのためです。マスコミの皆さんに
取り上げていただくことで、女子野球の存在と魅力を広く知ってもらうチャンスと考えました」
全日本女子野球連盟の長谷川一雄会長の言葉である。地上波ではなくとも、女子野球の試合が
全国放送されるのは画期的なこと。その他にも、個別の選手を追ったドキュメンタリー番組が全国ネットで
製作・放送されたり、多くのスポーツニュースや情報番組で扱いは小さかったが日本の4連覇が報じられたから、
そういう意味で、長谷川会長の狙いは当たったことになる。
日本対アメリカの決勝は見応えがあった。完封勝利を挙げ、大会MVPに輝いた里綾実(さと・あやみ)の
コントロールは素晴らしかったし、アメリカの17歳のエース・ヒューデックも120キロ前後のストレートを武器に
日本打線を苦しめた。5回裏の日本の攻撃では、二死一、三塁から一塁走者が盗塁を仕掛け、打者はわざと空振り。
三塁走者を警戒してセカンドではなくサードへ送球した捕手の判断は間違っていなかったが、これが悪送球となり
日本が追加点を奪った場面など、両国ともハイレベルな野球をしていると感じさせたものだ。
この日、女子野球を初めて見た人は、「女子もなかなかやるじゃないか」と思ったに違いない。
ただ、アメリカ以外のチームとの試合は、「本当にこれが国際大会?」というような内容だった。
日本の圧勝が続き、連覇を「偉業」と言っていいものかどうか、疑問符を付けられかねない展開だったからだ。
① 1次予選ラウンド・対オーストラリア 14-0(5回コールド)
② 1次予選ラウンド・対香港 19-0(5回コールド)
③ 1次予選ラウンド・対ベネズエラ 14-0(5回コールド)
④ 2次予選ラウンド・対カナダ 12-2(5回コールド)
日本は初戦から4試合連続で5回コールド勝ちした。強いのはいいが、正直、強すぎては面白くない。
野球に限らず、日本代表を応援する人たちは、強敵を倒して優勝する、または上位に食い込む日本を
見たいはずなのに、そうはならかなかったのだ。
「これがワールドカップ?」
「親善試合じゃないの?」
「日本が強いわけじゃなくて、他の国が弱いから連覇できたのか」
そんな声が聞かれたのも無理はない。香港とベネズエラはともかく、オーストラリアとカナダは世界ランキング3位と4位。
日本が1位、アメリカが2位なのだが、「4強」に含まれる国がコールド負けを喫したのでは、女子野球全体の
「レベルの低さ」を指摘されても仕方ないだろう。
特に日本対オーストラリア戦は、その点差以上に内容がひどかった。相手投手陣はストライクが入らず、
2回の1イニングだけで9四球。うち5つが押し出し四球というありさまだった。
この試合を生観戦した1万3000人のうち何人かはそれ以降、球場に足を運ばなくなったかもしれないし、
テレビ観戦した人は、翌日からチャンネルを合わせなくなったかもしれない。つまり、「認知度アップ」は
「イメージアップ」にはつながらなかったというわけだ。
URLリンク(sportiva.shueisha.co.jp)