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■８月１１日
「カメムシ」という昆虫は、人が触れたりすると悪臭を放つので「ヘコキムシ」「クサンコ」などの別名がある。
１匹が液状で発する臭いが警報となり、周囲にいる仲間はあっという間に散っていくとかで、人の皮膚がかぶれることもあるという。
「この虫を食え」と強要され口に入れたとき、どんな気持ちだったのか。
２００４年センバツで優勝した高校野球の強豪、済美高（愛媛・松山市）の野球部で複数の１年生部員が、２年生部員からカメムシを食べさせられたり、
灯油を飲まされそうになったという。カメムシは食用にする国もあるらしいが、生ではないだろう。灯油は飲んだら生命にかかわることもある。
平手打ちやバットで尻をたたくケツバット、長時間の正座…。
日常茶飯事のごとく起きる高校野球のトラブルは、監督が部員に肋骨（ろっこつ）骨折の重傷を負わせ傷害容疑で逮捕される時代で特に驚きもない。
しかし、あざや傷跡が残らぬカメムシ、灯油といった新手の「ネタ」の出現は、いじめが巧妙かつ陰湿化していることで衝撃的でもある。
長崎県佐世保市の高１女子殺害事件で逮捕された女子生徒は、ネコやカエルなど小動物の解剖に異常な興味をもっていたという。
想像を絶する事件を引き起こした割には学校の成績は優秀で、スポーツで全国大会出場経験があるという。
その探求心を正常な形で伸ばすことができたら、将来は学者になったかもしれない。
スポーツは、そうした青少年のエネルギーを正しい方向で発散するためにある。
スポーツと陰湿さは対極にあるべきで、この手のいじめには「大人の社会」を反映した青少年全体の心のゆがみさえ感じる。決して軽視はできない。
2014.8.11 08:00 今村忠
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