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ASKAの覚醒剤逮捕に危険ドラッグ問題など、薬物による事件が多発し、注目を集めているが、
ここにきて大物作家の薬物疑惑が噴出した。
それは、日本を代表する作家であり、"ノーベル文学賞にいちばん近い作家"と呼ばれる、
あの村上春樹だ。
世界的な評価の高さはもちろん、昨年発表した『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)
は発売1週間で100万部を突破し、4月に発売した短編集『女のいない男たち』(文藝春秋)は
発売初日にすでに30万部となるなど、稀代のヒットメーカーでもある春樹。
そんな彼に持ち上がったのは、「大麻パーティ」への参加疑惑だ。
これを報じているのは、「アサヒ芸能」(徳間書店)8月14日・21日合併特別号。
「村上春樹が酩酊した「ドイツ大麻パーティ」の一部始終」と題し、大麻に酔いしれていると
思しき春樹の姿を写した写真を袋とじの巻頭にてカラーで掲載しているほど。
この記事のネタ元となっているのは、ドイツ人のフォトジャーナリストであるペーター・シュナイダー氏。
彼は1984年に「BRUTUS」(マガジンハウス)の取材でドイツを訪れた"小説家"に同行。
ある日、ハンブルグ郊外のクラブに取材へ行くのだが、当日は休業日だった。
しかし、クラブのオーナーより「自宅に寄っていかないか」と誘われ、春樹と通訳、日本人カメラマン、
そしてシュナイダー氏の4人で応じたのだという。
そこで、このオーナーから「よかったら一服やらないか?」とマリファナを薦められたというのだ。
通訳は「大麻は大丈夫でしょうか?」と春樹に尋ねたのだが、春樹は"こともなげに"このように答えたという。
「ええ、大麻なら、僕は好きですよ」
車の運転があり、大麻パーティに参加しなかったというシュナイダー氏の証言によれば、
「漂う"紫の煙"を躊躇なく深く吸い込んだ村上氏は酩酊状態になってしまった」。
そして春樹は、暗い部屋だったにもかかわらずなぜかサングラスを外さなかったという。
いわく、「もしかしたら、取材班や私に"うつろな目"をしているのを見られたくなかったのかもしれません」(シュナイダー氏)。
......たしかに、「現場写真」だというカラー写真を見ると、ハイになって陽気な雰囲気の参加者に
囲まれた春樹はただひとり、うつむきかげんでどっぷりと、その世界をしみじみ味わっているような雰囲気だ。
このドイツ取材があった84年春は、春樹がちょうど『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を
発表する約1年前のこと。
いまから30年も前の話となるが、春樹のファンならば「何をいまさら」と思う人もいるかもしれない。
というのも、「アサ芸」の記事中でも指摘されているように、春樹のエッセイや小説には、
マリファナの話題が登場するからだ。
たとえば、『うずまき猫のみつけかた』(新潮社)では、アメリカ時代の生活に触れた箇所で
「マリファナ、ハッシシなんてその昔は飽きるほど吸ったぜ......というのは誇張ですけど、もちろん」
「経験的に言って、マリファナというのは煙草なんかよりも遥かに害が少ない」と、
その愛好歴をほのめかしたり、シリーズで約400万部の売り上げを誇る長編小説『1Q84』(新潮社)でも、
主人公・天吾のマリファナ体験を「脳みそが揺れているんだ」と、"実際に経験をした者しか書けないような
リアルな描写"が綴られていることもあった。
まさか、春樹のような大作家が反社会的な行為に耽っていたなんて─。
若い読者のなかには、このようにショックを受ける人もいるかもしれない。
(>>2以降に続く)
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