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ガイジン’sアイ:日本サッカーはアメリカに学べ
◆PR活動でも成功を収めるアメリカ
日本で特によく質問されることの一つが、「なぜアメリカ人なのにサッカーが好きなんですか?」
というものだ。基本的には無知から出た質問でしかない。フットボール、ベースボール、
バスケットボールを崇拝するという古びたアメリカのイメージを元にしたものだ。
アメリカ代表の戦いぶりが、その誤解を振り払ってくれることになりそうだ。
イタリアやスペインやイングランドといったチームが帰国を強いられる中で、アメリカは
「死のグループ」と見なされていたグループGで素晴らしいパフォーマンスを披露してみせた。
ガーナ、ポルトガル、ドイツに対して見せたアメリカ代表の不屈の闘志も
強く目を引いたが、本当の意味での勝利が得られたのはフィールド外だった。
アメリカ合衆国サッカー連盟(USSF)の見事なPR活動の成果によるものだ。
楽しいものから士気を高めるものまで多彩なマーケティング手法を用いて、
彼らは国内からの注目を捉えるとともに、サッカーにはアメリカのスポーツ界において
支配的な勢力となるポテンシャルがあることを示してきた。
ドイツ戦の前には、アメリカ代表のプレーを観戦できるように従業員に休日を
与えてほしいとユルゲン・クリンスマン監督が経営者たちに行った呼びかけが
2万6千回以上リツイートされた。ニューヨーク州知事アンドルー・クオモはこれに応え、
州職員に昼休みの延長を認めた。彼らが観戦した試合は結局0-1の敗戦に
終わったが、いずれにしてもアメリカはベスト16へ進出することができた。
アメリカ代表をサポートした政治家はクオモだけではなかった。
バラク・オバマ大統領はエアフォースワン機内で試合を観戦している様子がツイートされ、
ジョー・バイデン副大統領はガーナに2-1の勝利を収めた試合を現地で観戦していた。
ほかにも数え切れないほどのセレブやアスリートたち、スポーツチームなどが、
丁寧に製作された画像やYouTube動画を通してサポートの意志を示していた。
ボストン・レッドソックスやレスリングのスーパースターのハルク・ホーガン、
人気俳優・コメディアンのウィル・フェレルなどもその一部だ。
フェレルはUSSFによってレシフェへ送り込まれて様々なイベントに参加していた。
こういった動きを数千マイル離れた場所から眺めていると、日本のスポーツ団体が
競技を宣伝する上での努力の乏しさと比較せずにはいられない。JFAが唯一行った
ソーシャルメディア上でのキャンペーンは6月3日に公開されたパーソナルビデオメッセージ
だったが、これも失敗だった。JFAのツイートは返信(リプ)として書かれたため、
自らのタイムライン上で投稿を目にすることができたファンはわずかでしかなかった。
以来、JFAもJリーグも、それぞれのソーシャルネットワークアカウントでワールドカップに
関連するマルチメディアコンテンツ(写真や動画など)は一切投稿していない。
特にリーグのアカウントは、世界的な大会を完全に無視してしまっている。
代表チームのファンをJリーグに取り込む工夫が欠けていることは、ある人気女優の
ツイートに集約されている。彼女は海外ではなくJリーグでプレーしている
日本代表選手もいるという事実を知って驚いた様子を見せていた。
JFAもJリーグも、新たなメディアを採り入れることにはいつも抵抗を示してきた。
サッカーの宣伝は今回も、伝統的に野球を中心としてきた紙媒体とTVメディアに
任されていたが、これらの媒体はサムライブルーが戦いを終えるとすぐに悪意を込めた
攻撃を繰り出していた。敗退翌日のスポーツ紙の一面は残酷どころか野蛮とも
言えるほどで、まったく不要なものでしかなかった。数日後にはこれらの新聞は
またプロ野球とMLBの報道に戻り、サッカーに注目が向けられることは滅多にないのだろう。
(>>2-5辺りに続く)
Goal.com 2014/06/28 14:48:00(文/ダン・オロウィッツ)
URLリンク(www.goal.com)