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サッカーＷ杯会場どう使う…負の遺産化も 6月27日(金)7時55分配
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(本文)
■３６００億円かけ新設・改修も集客見込めず維持困難
ブラジルで開催中のサッカー・ワールドカップ（Ｗ杯）は２６日で１次リーグが終了し、一部の会場は役目を
終える。巨額の費用を投じて建設されたスタジアムの中には、Ｗ杯後に「負の遺産」となることが懸念されてい
る場所もある。
「サッカー王国」と称されるブラジルには各地に無数の競技場がある。その中で、国際サッカー連盟（ＦＩＦ
Ａ）は「空港とホテルがある都市」を条件とした。１次リーグで使用する１２会場が選定され、ブラジル政府は
新設や大規模改修などのために３６００億円超の予算を投入した。
集客などで、新しい競技場の維持管理が見込める国内１部リーグのクラブチームは、最大都市サンパウロやリ
オデジャネイロなどの都市に集中している。そうしたチームがない競技場はＷ杯後の利用方法に頭を悩ませる。
◆勾留施設に？
ＦＩＦＡが「ぜひ会場を」と要望したアマゾナス州マナウスのスタジアムもそのひとつ。アマゾン川と近代的
なスタジアムのコントラストが映える。約３００億円を投入し完成した競技場は４万４千人の収容が可能だが、
国内４部リーグに所属する地元チームの観戦者は、多い日でも約６００～７００人程度とされる。これでは維持
管理は見込めない。
同州では強盗や窃盗、薬物犯罪が急増し、容疑者の勾留施設が不足している。州関係者から「Ｗ杯後は勾留施
設として利用すべきだ」との声が上がり、州がこの案を否定するのに躍起になった経緯もある。州はコンサルタ
ント会社に利用方法を相談しているが、いまだに決まっていない。
マナウスのほかにも、日本代表も試合を行ったナタルやクイアバ、首都ブラジリアの競技場も「負の遺産にな
る懸念がある」と地元紙は指摘する。
◆南アでも問題化
前回（２０１０年）開催国だった南アフリカでも、維持管理ができていない競技場が問題化している。ＦＩＦ
ＡがＷ杯の価値を高めようとするあまり、開催国に競技場の基準などを細かく要求していることも問題の背景に
ありそうだ。
（サンパウロ 中村将）