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「こうしたことが重なれば、メディアは知らず知らずのうちに北朝鮮の宣伝や謀略
に利用されていくことになりますよ。フジテレビは報道機関としての「デッドライン」
を超えてしまいました」
そう語るのは、コリア国際研究所所長の朴斗鎮(パクトウジン)氏(72)。
韓国系ニュースサイト『デイリーNK』顧問などを務め、『朝鮮総連 その虚像と実像』
などの著書がある、北朝鮮問題のエキスパートだ。
テレビを中心に幅広い言論活動を行ってきたが、今年に入って、『新報道2001』や
『FNNスーパーニュース』などのフジテレビの報道番組から朴氏の姿はパタッと
消えてしまった。
その背景には、朝鮮総連に対するフジテレビの行きすぎた配慮があったと、
朴氏が告発する。
実はテレビ各局の北朝鮮報道は、’12年の金正恩政権の発足以降、様変わりしている。
北朝鮮政府は、それまでのメディア戦略を変更し、ミサイル発射施設や墓参などの
取材を認めるようになった。
「取材窓口が朝鮮総連なので、各テレビ局は常に総連の機嫌を窺わなくてはなら
なくなってしまった。テレビ局にとって北朝鮮報道は、訴訟リスクも低く、
視聴率が稼げる「美味しいコンテンツ」なんです。’12年4月、長距離弾道ミサイルを
発射する前に、北朝鮮政府は一部のメディアに発射施設を公開しました。
このとき、フジテレビはビザが下りずに、北朝鮮に入国できなかった。
これがフジテレビ内部でかなり問題になったのではないでしょうか。
この時から流れが変わったと感じます」(朴氏)
朝鮮総連は、許宗萬(ホジョンマン)議長(79)がいまだ権勢を誇る、事実上の
「在日北朝鮮大使館」。一昨年から各テレビ局に「NGコメンテーターリスト」を突きつけ
始めたと朴氏は言う。
「名指しされたのは、関西大学の李英和(リヨンファ)教授にアジアプレスの石丸次郎氏、
そして私の3名。つまり、金正恩政権にきわめて批判的なコメンテーターを
『番組に出演させるな』と圧力をかけてきたんです。
(>>2以降に続く)
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