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東洋経済オンライン 5月27日(火)8時0分配信
■ コミッショナーの2つの役割
これまで野球界がひとつになれなかった要因は、小学生でもわかるほど簡単だ。トップが不在だったからである。
責任を負い、リーダーシップを発揮し、困難に逃げず、プロアマを含めた球界全体をひとつにまとめあげ、前に導こうとする者がいなかった。
プロ野球機構(NPB)に目を向けると、球界再編や統一球の問題が勃発するたび、やり玉に挙げられた人物がコミッショナーだ。
統一球問題の際、前コミッショナーの加藤良三は先頭に立って問題解決に動くどころか、「私は知らなかった」と仰天発言している。
なぜ、NPBのコミッショナーはかくに頼りないのだろうか。
野球ファンの誰もが疑問に感じ、憤怒したことがあるはずだ。
そうした声をくんでか、昨年辞任した加藤の後継者として、王貞治が候補に挙げられた。
王は選手、監督としての功績、人格などあらゆる面において、日本中から尊敬されている。報道によると、コミッショナー擁立の動きもあったという。
だが周知のとおり、王ではなく、元東京地検特捜部長で弁護士の熊崎勝彦が就任した。
なぜ、ファンの期待する人事は実現しなかったのだろうか。
「王さんがコミッショナーに就任した場合、はたして守れますか?
球界に何か問題が置きたとき、『王さんが悪い』と言えますか? 」
そう説明するのが、あるNPB関係者だ。「王さんを守る」という意味には、コミッショナーに求められる2つの役割が関係している。
ひとつは、俗に言われる「球界の番人」としての立場だ。
統一球のような問題が勃発した際、知らんぷりを決め込むのではなく、率先行動する姿勢がふさわしい。
もうひとつが、プロ野球界の「COO(最高執行責任者)」としての顔だ。
野球協約において、コミッショナーにはプロ野球界の利益を確保する働きが求められる。あるべき姿は、次のリンクが詳しい。 一言で理想的なコミッショナー像を示すと、慎重大胆な裁定者であり、かつ部下の尊敬を勝ち得ているエリートビジネスマンだ。
だが現実を見ると、少なくとも現状では、後者の役割は演じづらい。
NPBにはさまざまなステークホルダーがおり、メジャーリーグ(MLB)のような形で共存共栄に向けて歩みをそろえているわけではないからだ。
MLBは戦力均衡のため、全国放送のテレビ放映権など、
ある部分の収益を全30球団で分配している(リンクの「収益分配制度」を参照)。
ある意味、この仕組みは「共産主義的」だ。
日本ハム球団代表の島田利正はニューヨーク・ヤンキースの関係者に、「企業努力で売り上げを伸ばしているのに、
分配されては頭に来ませんか? 」と聞いたことがあるという。
当然、「頭に来る」という答えが返ってきた。
論理として、企業努力を怠る球団が出てきてもおかしくはない。
ゆえに、「資本主義的」なNPBのあり方が間違っていると言い切ることはできないが、
一方で、ビジネス的創造力の限界という課題を抱えている。
既存のメンバーがいくら話し合っても、新しい発想や手法は生まれづらい。
安倍政権が6月に打ち出す成長戦略のひとつに「プロ野球団の増設」を盛り込むことが話題になっているが、
政治主導でなければ、こうした発想が真剣に議論されることは難しかった。
URLリンク(zasshi.news.yahoo.co.jp)
※続く