14/05/18 21:02:12.82 fN+x0EHh0
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「『ヒロポン』という覚醒剤の依存症で精神病院に入院した。
その夜から禁断症状が襲ってきた。薬が欲しくてたまらない。
眠れないし、胸苦しくて吐き気もする。入院したての患者は禁断症状で暴れるらしいが、私は必死になって我慢した。
芸人としての誇りからだった。良くなって再び舞台に立った時、だれかに「あいつが暴れていた」などと言われては困ると考えた。
病院からは眠るようにと、睡眠薬をもらって飲んでいたが、どうも胃腸薬のようなものだったらしい。
それまでご飯もろくに食べられなかったのが急にお腹がすいてきて、朝ご飯が待ちきれなくなってきた。
今でこそ笑って話せるが、入院中の私は、1日でも早く退院したい一心だった。もう治ったことを見せようと、
回診のお医者さんにやたらと笑顔を振りまいたり、ヘラヘラ笑っていると治っていないと思われるからと、黙りこくってみたりした。
そのうちお医者さんが、「そんなに苦労せんかて、こっちは商売や、治ってるかどうかはわかってる」と言ってくれた。
つらい思いもした。病院の隣は刑務所で、窓から農作業をする服役囚が見える。鉄格子の窓からその姿を見ていたら、
服役囚たちが私を指さし、「かわいそうに、あの娘、頭がおかしいんや。人間あないなったら終わりやで」と言ってみんなで笑う。
腹が立った。確かにお互い監視付きで鉄格子の中にいるけれども、私は病気を治しているのであって、悪いことをしたのではない。
無性に悔しくなり、大声で「バカ野郎」と怒鳴ってしまった。服役囚たちはどっと笑って、「えらい重症の患者やな」と聞こえよがしに言った。