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2014年、英国ではスマートフォンやタブレットなどモバイル機器向けのネット広告費が新聞の広告費を抜く─。
3月10日に公表された、米調査会社イー・マーケッターによるこんな予測が注目を浴びた。
13年のモバイル広告費は11億8900万ポンドで、割合は8.4%。これが今年ほぼ2倍の22億5900万ポンド(15.1%)に達し、
逆に微減する新聞(紙媒体)の広告費20億5900万ポンド(13.8%)を抜き去るのだ。
躍進は続き、16年にはテレビを超え、17年にはモバイル以外(主にパソコン向け)のネットをも上回り、
最大の広告メディアに上り詰める見通しだ。
日本の近未来図
いまだテレビが最大の広告メディアとして君臨する日本と比較すると、メディア激変が続く英国の状況は特殊なものにも見える。
しかし、メディア先進国といわれる英国で起きていることは、ほかの国でも起きる可能性が高い。英国で急速な広告移動が
起きている状況は、日本の近未来図かもしれないのだ。
モバイル広告躍進の背景にあるのは言うまでもなくスマホ、タブレットの急速な普及だ。
放送・通信業の監督機関オフコムの調査(1月発表)によれば、英国では成人の56%がスマホを保有。16~24歳の若年層に限ると
スマホ所有率は82%にも及ぶ。成人のタブレット保有率は29%。この1年で2倍に増えている。
モバイル端末の普及度合いだけであれば日本も変わりない。日本でもスマホ、タブレットの普及は急速に進んでいる。
英国で急激な広告のシフトが起きた理由は、業種を問わずさまざまなコンテンツやサービスがモバイル対応を進めたためだ。
たとえば音楽市場では13年、ネット配信収入が英国の音楽売り上げの半分を超えた(音楽業界団体BPI調べ)。
中でも大きく伸びたのが、スウェーデン発祥のスポティファイやフランス発のディーザーなどによる
ストリーミング配信(前年比41%増)だ。
CDなど形のあるパッケージからデジタル消費にシフトする利用者に、「欲しがるものを与えること」
(BPIのトニー・ワズワース会長)で業界は生き残ってゆくという。
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