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(続き)
たとえば、直近7年間に行われた日本シリーズのテレビ視聴率(関東)を
年齢別に見ると、50歳以上男性が15.9%と圧倒的に高い
(ビデオリサーチ社調べ。以下同)。反面、20~34歳男性は6.4%、
同年代女性は3.7%と悲惨な数字だった(右グラフ参照)。
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このデータから推測すると、野球を頻繁にテレビ観戦するのは中年や高齢者だ。
アメリカでナイターが行われるのは日本時間午前中に重なり、定年退職を迎えた
人にとって見やすい時間帯でもある。さらに言えば、イチローや黒田博樹、上原浩治、
田澤純一が世界の大男たちに真っ向から立ち向かうストーリーは、実に日本人好みだ。
◆三木谷浩史の的を射た言葉
ほかにもMLBの巧みなマーケット戦略はあるが、詳細は他媒体を参照して
ほしい。むしろ本連載で目を向けたいのは、なぜNPBが成長できていないか、
という点だ。その理由をひもとくうえで、実に的を射た言葉がある。
2004年に球界再編騒動が勃発し、IT企業の楽天が新参入を決めた。
その理由について、オーナーの三木谷浩史は球団発行の
創業記『原点ノート』でこう明かしている。
「楽天があえて参入を決めた理由。それはある意味で、プロ野球界というのは
日本社会の縮図であるという考えにもとづいていました。旧体制の仕組みのなかで、
改革のエネルギーを失い、衰退しようとしている。『プロ野球は赤字で当たり前』
だというようなことが球界内部の人の口から出るようになっていた。
でも本当にそうなのだろうか? 楽天なりの新しい方法論を持ち込めば、
健全経営を実現できると思ったのです」
プロ野球界は日本社会の縮図―。実に、言い得て妙である。
オーナーの言葉どおり、楽天球団は13年度に経営の黒字化を果たした。
さらにグラウンドでは、創設からわずか9年間で日本一に登り詰めている。
はたして新球団の成功は、球界の成功へとつながっていくのだろうか。
全5回にわたる当連載では、野球界の現状と未来に目を背けず、向かい合っていく。
(=敬称略)