14/04/30 14:57:25.43 0
(>>1からの続き)
◆メジャーの総収益は、日本の4倍
片や、数カ月に1度行われるサッカー日本代表戦は、
もっと“イベント的”に楽しみやすい。毎週末開催されるJリーグに興味がなくても、
ザックジャパンの試合になると青いユニフォームを着てスポーツバーに出掛け、
友人たちとお酒を飲みながら歓声を送る。戦術やJリーグの優勝争いは
知らなくても、カラオケやアイドルのコンサートと同じような気軽さで
楽しめるのが日本代表戦だ。W杯が開催されるのは4年に1度で、
そこに予選が絡まるというストーリー展開も実にわかりやすい。
スマホやタブレットで情報&コミュニケーションツールにあふれる現在、
日本代表戦は極めて現代人向けのエンターテインメントと言える。
プロ野球は日本でそうした現状に置かれている一方、世界的に見れば
“外敵”にもさらされている。最たるものが、アメリカのメジャーリーグ(MLB)だ。
阪神タイガースのマット・マートンは日本プロ野球のレベルをメジャーと
3A(マイナーリーグの最上位)の中間である「4A」とたとえていたが、
日本人選手のトップクラスは当然のようにアメリカ球界を目指すようになった。
実力差の議論はさておき、報酬面ではとても太刀打ちできない。
田中将大は楽天時代に4億円だった年報が、ヤンキースに移籍したことで
23億円まで膨れ上がっている(金額はいずれも推定)。
2010年時点の総収益を比べると、MLBが5000億~5500億円に対し、
NPBは1400億円と4倍の差をつけられている(「日経ビジネスオンライン」より)。
さらに興味深い事実は、1995年時点では、両者ともに約1400億円で同程度だったことだ。
なぜ、15年間でNPBはMLBにかくも差をつけられてしまったのか。
理由のひとつに、MLBの巧みなマーケット戦略が挙げられる。
MLBは自国以外でもファンを開拓すべく、積極的な海外進出に
打って出た。黒船の目指した先のひとつが、日本だった。
1995年に野茂英雄が海を渡ったことが大きなきっかけとなり、
日本のスーパースターは総じてMLBを目指すようになった。
そうした背景に加え、MLBにとって日本人の野球ファン層はちょうど狙い目だった。
(続く)